アメリカ合衆国郵便公社

アメリカ合衆国郵便公社（USPS）

アメリカ合衆国郵便公社（USPS）は、アメリカの郵便事業を一手に担う公社であり、1971年7月1日に設立されました。設立前の郵政省から事業が移管され、現在に至ります。USPSは、一般にU.S.メールとも称され、その青色のロゴは国鳥のハクトウワシを模していることが特徴です。一方で、日本ではアメリカ郵政公社、またはアメリカ合衆国郵政公社という呼称も使われています。

設立背景と経営状況

郵便公社が設立された1971年以降、USPSは様々なサービスを提供してきましたが、2000年代に入ると電子メールの普及により、郵便物の取り扱い量が大幅に減少しました。その結果、2009年度には約38億ドルの赤字を計上する事態に陥りました。この状況を打開するため、USPSは人員削減やコストカット策に取り組みました。具体的には、約4万人の職員を削減し、土曜日の配達を停止する方針も打ち出しました。

さらに、郵便公社は現場の効率化を図るために、独立した自動郵便センターや多くの郵便局に設置された切手購入機などのサービスを充実させています。2020年には、コスト削減のための一連の改革が発表されましたが、その後の議会の反発を受け、変更点が見直されることになりました。

不祥事と影響

USPSにおける不祥事として、1986年にオクラホマ州の郵便局で起きた銃乱射事件が挙げられます。この事件では職員が同僚に対して無差別に銃を発射し、14人を殺害、6人を負傷させました。動機は職場でのストレスだったとされています。この事件を契機に、アメリカ[[英語]]では「ゴーイング・ポスタル」というスラングが生まれ、職場のストレスを抱えた人々の暴力行為を示す言葉として定着しました。

自転車チームのスポンサーシップ

また、USPSは1996年から2004年にかけて自転車ロードレースチームのスポンサーを務め、特にランス・アームストロングの活躍で味わった成功も記憶に新しいです。アームストロングは1999年から2004年にかけてツール・ド・フランスを6連覇しましたが、後にこれらの成績はドーピングにより取り消されることとなりました。

現在の役割と今後の展望

今日のUSPSは、郵便物の送受信に加え、切手や文具、パスポート用の写真を提供するなど、多岐にわたるサービスを展開しています。全米で約36,000の郵便局が存在し、国民の日常生活に密接に関連しています。ただし、経済状況の変化や技術の進化に伴う試練も多く、今後の運営にはさらなる工夫が求められています。特に、電子メールサービスとの競争が激化する中で、従来の郵便事業をどのように革新し、現代のニーズに応えていくかが重要な課題です。

このように、アメリカ合衆国郵便公社（USPS）は様々な面での挑戦を抱えながら、今もなお重要な役割を果たしています。

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