アメリカ国立生物工学情報センター

アメリカ国立生物工学情報センター（NCBI）

アメリカ国立生物工学情報センター（NCBI）は、1988年に設立され、アメリカ合衆国の国立衛生研究所（NIH）の一部門として機能しています。本部はメリーランド州ベセスダに位置し、バイオテクノロジーや分子生物学におけるデータベースの構築や研究用ソフトウェアの開発を行っています。NCBIは、バイオインフォマティクスの重要なリソースとして広く利用されています。

NCBIの主なデータベース

NCBIが提供する主なデータベースには以下のようなものがあります。
1. GenBank: DNA配列データを集積し、他の国際的なデータベースと連携しています。
2. PubMed: 生物医学文献を網羅した書誌データベースです。
3. dbSNP: 一塩基多型に関する情報を集約したデータベースです。
4. dbEST: 発現配列タグのデータベースです。
5. MEDLINE: 医学文献情報を収録したデータベース。
6. NCBI Epigenomics: エピゲノムに関する情報を提供しています。

これらのデータベースは、Entrez検索エンジンを通じてオンラインで利用可能で、多くのデータは無料でアクセスできます。また、BLASTというツールを用いて、DNAやタンパク質の配列相同性検索が可能です。

NCBIの歴史とリーダーシップ

NCBIは、BLAST配列アラインメントプログラムの開発に関与したデヴィッド・リップマンが率いていました。彼は2017年にNHBCから離れましたが、現在もNCBIは学際的な研究を支援するための様々なプログラムを提供しています。

GenBankの役割

NCBIは1992年以来、GenBankを運営しています。このデータベースは、遺伝子の配列情報を集めており、欧州分子生物学研究所（EMBL）や日本DNAデータバンク（DDBJ）と連携しています。また、特定の生物に独自の識別子を与える仕組みも整えています。

NCBI Bookshelf

NCBIは、研究者が生物医学に関する書籍をオンラインでアクセスできるNCBI Bookshelfも運営しています。このコレクションは、分子生物学、細胞生物学、遺伝学など広範囲にわたるトピックを扱い、ピアレビュー済みの論文の要旨を提供しています。

BLASTの機能

BLASTは、DNAやタンパク質の配列間の類似性を調べるためのアルゴリズムです。NCBIでは、ウェブブラウザ上で迅速に機能を利用でき、自分のシーケンスをさまざまなフォーマットで分析できます。

EntrezとGeneデータベース

Entrezは、NCBIの多様なデータベースに対する統一的な検索システムです。生物の各種データにアクセスできる便利なインターフェイスを提供します。一方、Geneデータベースでは、遺伝子に関する詳細な情報を整理しており、各遺伝子には独自のIDが付与されています。

ProteinとPubChem

また、NCBIにはタンパク質に関する情報を集約したProteinデータベースや、生物学的な分子に関する情報を集めたPubChemデータベースも存在します。これらのリソースは、研究や医療分野における発見をサポートしています。

上述の機関は、世界中の研究者にとって価値ある資源と情報を提供し、バイオテクノロジーや生物学の進展に寄与しています。

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