アメリカ宇宙軍

アメリカ合衆国宇宙軍（USSF）

アメリカ合衆国宇宙軍（United States Space Force、略称USSF）は、宇宙空間の防衛と運用を専門とするアメリカの軍隊です。2019年12月20日に設立され、アメリカ軍の6つの軍種の一つとして位置付けられています。この宇宙軍は特に、国防総省の空軍省の管轄下にあり、宇宙におけるアメリカ合衆国の権益を守るための任務を持っています。

宇宙軍の設立背景

宇宙軍の創設は、冷戦終結後の宇宙利用の拡大や新たな宇宙戦略の重要性の認識から進められました。特に、国際的な安全保障環境の変化や宇宙空間の軍事利用の増加に伴い、アメリカは独立した宇宙関連の軍種を持つ必要があるとの認識が高まったのです。以前は、宇宙関連の業務が空軍や他の軍種に細分化されていたため、宇宙に関する統一した政策や戦略が不十分でした。

宇宙軍の任務と役割

宇宙軍の主要な任務は、以下のように多岐にわたります。宇宙空間におけるアメリカ合衆国の権益を保護し、安全な宇宙の利用を確保することです。具体的には、敵対勢力からの保護や、統合軍に対する宇宙関連能力の提供を行い、宇宙空間の経済活動をサポートします。これを達成するために、宇宙運用技術を迅速かつ持続的に提供し、軍関連の教育や訓練を行っています。

宇宙軍の組織構成

宇宙軍の最高責任者は宇宙軍作戦部長（Chief of Space Operations、略称CSO）であり、その地位は初代のジョン・W・レイモンド大将が担っています。宇宙軍は、宇宙作戦軍団（Space Operations Command）や各宇宙部隊（Space Delta）から成り立っており、それぞれが異なる任務を持っています。

「ガーディアン」と呼ばれる宇宙軍兵

宇宙軍従事者は「ガーディアン」と呼ばれ、他の軍種に見られる「ソルジャー」や「セーラー」に代わって、宇宙での防衛に関わります。この名称は、宇宙軍の任務が国の宇宙資産を守るという理念から生まれました。

教義とドクトリン

宇宙軍の教義としては、行動の自由を守ること、宇宙運用の効率を向上させること、独立した作戦の展開が強調されています。また、宇宙安全保障の確立や情報共有、宇宙領域の観測なども重要な役割に位置付けられています。

他組織との関連

宇宙軍は、陸軍、海軍、空軍などの他の軍種と連携しつつ、従来の軍事活動の支援を行っています。また、国家偵察局（NRO）や宇宙開発庁（Space Development Agency）といった組織との協力も重視されており、宇宙における情報収集能力の強化に向けて活動しています。

未来の展望

今後、宇宙軍は独自の制度や資産を確立し、より専門的な教育システムや能力の育成が進められます。これにより、宇宙における国防の強化が図られると期待されています。アメリカ合衆国の宇宙軍は、今後ますますその重要性を増し、国際的な安全保障の新たな柱となることでしょう。

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