アメリカ州兵総局長

アメリカ州兵総局長とは

アメリカ州兵総局長（Chief of the National Guard Bureau、CNGB）は、国防総省における軍人の重要な地位の一つで、州兵および州兵総局の最高指導者です。この役職は、連邦政府の法的な職務であり、アメリカの国家安全保障において重要な役割を果たしています。職務を担う者は、少なくとも10年間の陸軍または空軍州兵での従軍経験が求められ、統合参謀本部のメンバーとしても活動します。

州兵総局長は、アメリカ国家安全保障会議や国土安全保障理事会において、州兵に関する重要な軍事的助言を提供する責任も担っています。この職位は、州兵士官の中から国防長官と統合参謀本部議長の定めた基準に則って大統領が任命します。任命時には、州知事や陸軍長官、空軍長官などからの助言も考慮され、さらに上院の承認も必要です。通常、任命される士官は中将または少将であり、任命されると、法令に基づき現役の大将に昇進することになります。

歴史的背景

アメリカ陸軍の兵力の整備が本格化したのは1908年であり、当時、連邦政府は州兵の訓練と準備を監督するために民兵局を設置しました。民兵局の最初の局長には、エラスムス・M・ウィーバー・ジュニア陸軍大佐が選ばれました。その結果、1920年に施行された国防法により、民兵局長のポジションは州兵士官に限られました。これにより、ペンシルバニア州軍のジョージ・C・リッカーズ陸軍少将が最初の州兵士官として民兵局長に就任しました。

1947年には空軍州兵が設立されたことを受けて、州兵総局としての機能が整備され、州兵総局長に従属する役職として陸軍州兵局長と空軍州兵局長が設置されました。1953年には、空軍州兵局長が州兵総局長代行に就任するなど、州兵の制度と役職は変化してきました。

近年の変化と影響

1980年代にかけて州兵総局長の地位は少将から中将へと移行し、さらに2008年に至っては大将の指定職として位置づけられることとなります。この変更により、クレイグ・R・マッキンリー空軍大将が初めて州兵総局長として大将の地位に就任しました。また、2011年の国防権限法に基づき、州兵総局長は統合参謀本部の一員として活動することが定められました。この際、当初はその他のメンバーから反対の意見があったものの、最終的にはバラク・オバマ大統領の公約が実現する形で承認されました。

州兵総局長の旗

州兵総局長の旗は、1998年から2008年の間に使用されました。この旗のデザインは、濃い青が陸軍州兵を示し、上部の水色が空軍州兵を象徴しています。中央には州兵総局の紋章が描かれ、上部の三角形は飛行機を象徴し、空軍州兵を示しています。2008年に州兵総局長が大将となった際に現在の旗に変更され、4つ星が追加されました。

まとめ

アメリカ州兵総局長は、アメリカ合衆国における州兵の運営と戦略的役割を担う重要な役職です。その歴史を辿ることで、アメリカの防衛力強化に向けての政策の変遷や、州兵制度の進化が見えてきます。

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