アメリカ教会への感謝状

アメリカ教会への感謝状

アメリカ教会への感謝状（Formal Message of Appreciation to American Churches）は、日本のキリスト教会が、アメリカ合衆国のキリスト教会に対して贈った感謝状です。この感謝状は、1941年4月20日から25日にかけてカリフォルニア州リバーサイドで開催されたリバーサイド日米キリスト者会議において、日本の使節団からアメリカの教会へ贈呈されました。

リバーサイド日米キリスト者会議と使節団

この会議に日本から派遣された遣米平和使節団のメンバーは、阿部義宗、小崎道雄、松山常次郎、賀川豊彦の4名に加え、補佐として小川清澄、斉藤惣一、河井道、湯浅八郎、そしてウィリアム・アキスリングが参加しました。彼らは、日本のキリスト教界を代表し、アメリカの教会関係者との交流を深め、平和への願いを共有するために派遣されました。

感謝状の内容

感謝状には、アメリカのプロテスタント教会が初期の段階から日本へ宣教師を派遣し、多くの日本人をキリスト教の信仰へと導いたことへの深い感謝の意が込められています。また、日本のキリスト教界が成長する上で欠かせなかった、アメリカ教会からの財政的な援助、祈り、そして励ましへの感謝も表明されました。この感謝状は、日本におけるキリスト教の基礎を築く上で、アメリカの教会が果たした重要な役割を認めるものでした。

背景と意義

この感謝状が贈られた背景には、当時の国際情勢、特に日米関係の緊張がありました。このような状況下で、日本のキリスト教会はアメリカの教会との友好関係を維持し、平和への希望をつなぎとめようとしたと考えられます。しかし、この感謝状が贈られた3年後には、日本基督教団が「日本基督教団より大東亜共栄圏に在る基督教徒に送る書翰」を発表しました。この書翰は、アメリカ教会への感謝状と同様に、日本基督教団がアメリカのキリスト教会を母教会とするアメリカ系の教会であったことが理由として挙げられます。このことは、当時の日本のキリスト教会が、国際的なつながりと国内の政治的圧力の間で揺れ動いていたことを示唆しています。

まとめ

アメリカ教会への感謝状は、単なる感謝のメッセージにとどまらず、当時の日本のキリスト教界が抱えていた複雑な状況を映し出すものでした。アメリカ教会からの長年にわたる支援への感謝と、日米間の緊張という二つの側面が、この感謝状に込められています。

参考文献

* 『日本の神学』古屋安雄　ヨルダン社

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