アメリカ物語

アメリカ物語：ネズミ一家の夢と冒険

『アメリカ物語』（原題：An American Tail）は、1986年に公開されたアメリカのアニメーション映画です。巨匠スティーヴン・スピルバーグが初めて製作総指揮を務めた作品として知られ、当時、アメリカの長編アニメ映画として記録的な大ヒットとなりました。

バリー・マンとシンシア・ワイルが作詞、ジェームズ・ホーナーが作曲した主題歌“Somewhere Out There”は、リンダ・ロンシュタットとジェームス・イングラムが歌い、1988年のグラミー賞最優秀楽曲賞を受賞、アカデミー歌曲賞にもノミネートされるなど、映画音楽としても高い評価を受けています。

あらすじ

物語は1885年のロシアから始まります。ネズミのマウスクビッツ一家は、ネコの大群に襲われ家を失ってしまいます。アメリカにはネコがいないという迷信を信じ、一家は新天地アメリカへの移住を決意します。

しかし、ドイツ経由でアメリカへ向かう船旅の途中、息子のファイベルが嵐の海にさらわれてしまいます。幸運にも空き瓶に飛び込んで一命を取り留めたファイベルは、ニューヨークへと流れ着きます。そこでウォーレンというネズミに騙され、ネズミたちを奴隷のように働かせるモーの工場に売られてしまうのです。

一方、ファイベルの両親と姉はスラム街で暮らし始めますが、ひょんなことから仲間たちのネコとの戦いに巻き込まれていきます。

工場から脱出したファイベルは、ネコのグループのアジトを発見し、ウォーレンの正体がネコであることを知るのでした。

登場キャラクター

ファイベル・マウスクビッツ： ロシア出身のネズミ一家の長男。アメリカへ向かう船上で波にさらわれる。
パパ・マウスクビッツ： ファイベルの父。
ママ・マウスクビッツ： ファイベルの母。
ターニャ・マウスクビッツ： ファイベルの姉。
ウォーレン・T・ラット： 悪徳商人のネズミ。正体はネコ。
アンリ： フランスから来たハト。自由の女神像の建設に従事し、ファイベルを助ける。
トニー・トッポーニ： モーの工場で働くネズミ。イタリア出身。
タイガー： 大柄なネコ。菜食主義者。
ブリジット： トニーの恋人のネズミ。社会運動家でアイルランド出身。
オネスト・ジョン： 政治家のネズミ。アイルランド系。
ガッシー・マウスハイマー： 町一番の金持ちのネズミ。ドイツ出身。
ディジット： イギリスから来たゴキブリ。ウォーレンの手下。
モー： ネズミを奴隷のように働かせる工場の経営者。

その他

地方銀行のイメージキャラクター： 複数の地方銀行がファイベルをイメージキャラクターとして採用していました。

* アート・スピーゲルマンの批判： アート・スピーゲルマンは、本作を自身の作品『マウス』の模倣だと批判しました。

『アメリカ物語』は、家族の絆、希望、そしてアメリカンドリームをテーマにした感動的な物語です。ネズミのファイベルの冒険を通して、移民の苦難と希望を描き出しています。

もう一度検索