ジェームス・イングラム

ジェームス・イングラム：音楽と人生の足跡

ジェームス・イングラム（James Ingram）は、1952年2月16日にアメリカのオハイオ州アクロンで生まれたシンガーソングライターであり、音楽プロデューサーとしても知られています。彼は1970年代からロサンゼルスで音楽活動を開始し、数々のバンドに参加し、特にレイ・チャールズのバンドではキーボーディストとしての才能を発揮しました。

イングラムは、セッション・ボーカリストとしてのキャリアを確立し、その後、著名な音楽プロデューサーであるクインシー・ジョーンズに見出されました。彼は「クインシーの秘蔵っ子」として知られ、その後もジョーンズの作品に積極的に参加しました。特に、パティー・オースティンとのデュエット曲「ベイビー・カム・トゥ・ミー」は、彼にとっての重要な転機となり、アメリカの音楽ランキングで1位を獲得しました。

1983年、彼はソロアーティストとしてデビューし、アルバム「ユア・ナイト」をリリースしました。このアルバムには、レイ・チャールズやマイケル・マクドナルドといった大物アーティストが参加し、イングラムの音楽スタイルをさらに強化しました。1984年に発表されたマクドナルドとのデュエット「ヤ・モ・ビー・ゼア」は、グラミー賞を受賞し、彼のキャリアの中でも特に記憶に残る作品となりました。

また、1985年にはUSAフォー・アフリカのプロジェクト「ウィ・アー・ザ・ワールド」に参加し、数々の著名なアーティストと共にリードボーカルを務めました。この曲における彼の貢献は、音楽業界において彼の存在感を一層高める要因となりました。

音楽だけでなく、映画音楽にも関与し、1986年にはリンダ・ロンシュタットとのデュエット「サムホエア・アウト・ゼア」が全米2位を記録しました。さらに、エディ・マーフィ主演の映画『ビバリーヒルズ・コップ2』のエンディング・テーマである「ベター・ウェイ」も多くの人々に愛されました。

1990年には「アイ・ドント・ハブ・ザ・ハート」が全米1位を記録し、彼のキャリアの中でも特に成功した瞬間の一つでした。イングラムは、その感情豊かな声と歌唱力で、多くのリスナーの心に深く刻まれています。

残念ながら、彼は2019年1月29日に脳腫瘍により66歳でこの世を去りました。しかし、彼の音楽は今もなお多くの人々に影響を与え続けており、彼の作品はこの世を超えて愛される存在となっています。

主なアルバム

• - ユア・ナイト - It's Your Night（1983年）
• - ネヴァー・フェルト・ソー・グッド - Never Felt So Good（1986年）
• - イッツ・リアル - It's Real（1989年）
• - パワー・オブ・グレイト・ミュージック - The Power of Great Music（1991年）
• - オールウェイズ・ユー - Always You（1993年）
• - フォーエヴァー・モア - Forever More: The Best of James Ingram（1999年）
• - Stand (In the Light)（2009年）

イングラムの音楽は、彼の情熱と才能、そして独自のスタイルを証明するものであり、音楽史において重要な位置を占めています。

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