アメリカ陸軍総軍

アメリカ陸軍総軍の概要

アメリカ陸軍総軍（United States Army Forces Command: FORSCOM）は、アメリカ陸軍の基本的な指揮機関であり、地球各地に展開する地域別統合軍へ陸軍部隊を提供する使命を持っています。この司令部はノースカロライナ州のフォートブラッグを拠点に、常備軍、陸軍予備役、ならびに陸軍州兵を合わせて750,000人以上の兵士を指揮しています。総軍の設立は1973年に遡り、それ以前は旧大陸陸軍として知られていました。

任務と目的

アメリカ陸軍総軍は、「地域別統合軍がその任務を果たすために必要な戦闘準備が整った陸軍部隊を保持できるよう、常に訓練・編成していく」という理念を掲げています。これに伴い、十分な訓練を施され、コントロールされた状態で国際展開するための部隊を整備することを目的としています。

機動的な展開能力

陸軍総軍は、兵力を迅速に展開できる能力の強化に力を入れており、モジュラーフォースの改編により、柔軟で即応性のある部隊を提供しています。これにより、機甲や歩兵、空挺部隊など、さまざまなタイプの部隊が地域別統合軍を支援できる枠組みが増えています。さらに、フォートアーウィンのナショナル・トレーニング・センターやフォートポークの統合即応訓練センターといった15の訓練施設を駆使し、部隊の戦闘準備を強化しています。

歴史と系譜

老舗の指揮部として、アメリカ陸軍総軍は1942年に形成された陸軍地上軍に起源を持ち、その後いくつかの組織を経て現在に至ります。1973年に設立されたアメリカ陸軍総軍は、冷戦時代においても様々な軍を指揮し、近年も引き続き陸軍予備役部隊や州兵部隊を統括しています。これにより、陸軍総軍の戦力はアメリカ陸軍全体の大部分を占めることとなります。

現在の構成

現在、アメリカ陸軍総軍は第1軍、第3軍団、第5軍団、そして第18空挺軍団を指揮しています。これにより、合計9個の師団や多様な支援部隊が統合され、強化された戦力を有しています。第1軍は、陸軍予備役と州兵の監督を行い、その訓練や実動に関与しています。

州兵部隊は、必要に応じてアメリカ陸軍総軍に動員され、その総兵力は陸軍全体の約3分の2に達します。

まとめ

アメリカ陸軍総軍は、その広範な訓練施設や部隊配置により、迅速かつ効果的に国際的な任務に対応できる力を持っています。全体を統括する強力な構造のもと、アメリカの安全保障と軍事的なプレゼンスを支える重要な役割を果たしているのです。

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