アメリカ領サモア議会

アメリカ領サモア 議会

アメリカ領サモア議会（American Samoa Fono）は、アメリカ領サモアの立法府です。アメリカの多くの州議会や準州議会と同様に、上院と下院の両院制を採用しています。
議会はパゴパゴ沿いのファガトゴに位置し、アメリカ合衆国の州・準州レベルの議会で両院制かつ超党派の議会としては唯一の存在です。ネブラスカ州議会も超党派制ですが、一院制である点が異なります。

歴史

1900年にアメリカ合衆国の領土となったアメリカ領サモアは、当初、海軍によって管理されていました。初代ガバナーであるB.F.ティリー中佐は、領内でアメリカの法律が効力を持つことを宣言しました。1905年からは、海軍総督の諮問機関として、地元コミュニティから派遣された下院議員による年次会議が開催されました。

1947年から1949年までのバーノン・フーバー知事の任期中、アメリカ領サモアはより大きな自治へと向かいました。1948年、フーバー知事の奨励の下、アメリカ領サモア議会が初めて招集されました。当初は諮問的な立場でしたが、両院制議会として設立されました。上院はトゥトゥイラの高酋長7人とマヌアの高酋長5人の計12人で構成され、下院は各村から選出された52人と、マタイ制度下に住んでいない住民による無記名投票で選出された2人で構成されました。

1952年、アメリカ領サモアの行政が内務省に移管された後、議会は改革されました。下院議員は知事の顧問となり、上院と名付けられた新しい上院が設立されました。上院議員は15人で、アメリカ領サモアの3つの地区からそれぞれ5人ずつ選出され、サモアの慣習に従って公開の会合で選出され、マタイの称号を持っている必要がありました。下院議員の数は18人に減らされ、全員が無記名投票で選出されました。

1960年には、アメリカ領サモア初の憲法が採択されました。下院議員の数は変わらなかったものの、地理的分布が若干変更されました。上院議員は、当時14あった郡から各1名、任期4年で選出され、西部地区の当時4郡から持ち回りで1名、任期2年で選出されました。

1967年の憲法改正により、両院の構成が修正されました。上院の定数は18名となり、各郡からの選出人数が調整されました。下院にも同様の配分が適用され、スウェインズ島からの議決権を持たない下院議員1名に加え、マオプタシ県から5名の下院議員が選出され、合計21名の議員が選出されました。

議員要件及び選挙

上院議員は、米国籍を持ち、30歳以上で、選挙直前の1年間を含めて5年以上米領サモアに居住し、代表となる郡のマタイの称号を持っている必要があります。サモアの慣習に従って郡議会で選出され、任期は4年です。

下院議員とスウェインズ島からの代表は、米国籍で25歳以上、米領サモアに5年以上居住し、選挙の直前1年以上、代表となる地区に居住している必要があります。マタイである必要はありませんが、通常はマタイです。下院議員は無記名投票で選出され、スウェインズ島の代表は公開会合で選出されます。

有権者は米国籍で18歳以上、米領サモアに2年以上居住し、選挙の直前1年以上同じ地区に居住している必要があります。

選挙は偶数年の11月1日後の第1火曜日に行われ、投票用紙には候補者名のみが記載され、政党名は記載されません。各有権者は、選挙区で選出される議員の数と同数までの候補者に投票し、得票数の多い候補者が当選します。

選挙区

下院の場合、各選挙区は1つまたは複数の郡全体、郡の一部、またはスウェインズ島で構成されます。各選挙区は1人または2人の議員を選出します。上院の場合、各選挙区は1つまたは複数の郡で構成され、1人、2人または3人の議員を選出します。

再配分

1967年に憲法で定められた選挙区ごとの下院議員数と上院議員数は、当時の最新の国勢調査である1960年の人口にほぼ比例していました。憲法には「上院議員および下院議員は、5年以上の間隔で、法律により再割振りされるものとする」とありますが、そのような再割振りは一度も行われていません。そのため、人口変動の結果、いくつかの郡の代表が不均衡になっています。最大の不均衡は、人口が大幅に減少したマヌア諸島の郡と、他の領土よりも人口が大幅に増加したトゥアラウタの郡で生じています。

議事堂

最初のアメリカ領サモア議会は、ファガトゴのアメリカ海軍ツツイラ基地兵舎にあった旧家にありました。1970年に火災で焼失し、議会跡地にはANZアメリカ領サモア銀行本店があります。

2つ目の議会は1973年に同じくファガトゴに開設され、マオタ・フォノ複合施設に入居していました。この建物はサモアの伝統的なファレを基にした蜂の巣状のデザインで、2017年に取り壊されました。

新しい議事堂は2018年に着工され、2階建てのセメントビルとして建設が進められています。費用は1,600万米ドルで、議員事務所用の建物も建設される予定です。

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