アメンホテプ2世

アメンホテプ2世の生涯と功績

アメンホテプ2世（Amenhotep II）は、古代エジプト第18王朝の第7代ファラオであり、紀元前1453年から1419年、または紀元前1427年から1400年までの在位を誇ります。彼の即位名「アアケペルウラー」は、「偉大なるかなラー神の出現」という意味を持ちます。父親のトトメス3世同様、アメンホテプ2世も数多くの遠征を行い、エジプトの国威を高め、広大な帝国を維持しました。

初期の背景と成長

アメンホテプ2世は、トトメス3世と王妃メリトラー・ハトシェプストの子供としてメンフィスに生まれ育ちました。若い頃、彼はメンフィスの造船所で資材の運搬の監督を務める一方、下エジプトの神官たちを統括する大司祭としての役割も果たしました。

トトメス3世の後継者としては、正室のサトイアフが産んだ異母兄のアメンエムハトが最初に指名されていましたが、彼は父王の在位35年目頃に死亡しました。このため、アメンホテプ2世は突然の後継者となったのです。彼が戴冠する直前には軍司令官の任にありました。当時、彼の強靭な身体能力をアピールする多くの碑文を残しており、特には銅の塊を矢で射抜いたり、水兵200人が漕ぐ船を一人で速く漕いだなどの記録があり、その身体能力の高さは注目されていました。

ミイラと埋葬

アメンホテプ2世のミイラは、王家の谷のKV35号墓から発見されました。彼の身長は183センチと、現存するファラオのミイラの中で最も高さがあり、体格の良さが伺えます。おそらく、彼は40歳から50歳の間に亡くなったと推定されています。

彼のミイラは、特筆すべき点がいくつかあります。性器には割礼が施され、肌には丘疹が多数確認されます。これらは近親婚を繰り返したエジプト王家特有の特徴であり、彼の母であるハトシェプスト女王や、息子のトトメス3世にも見られる先天的なものです。

ミイラの保存状態についても興味深いことが多く、第21王朝の時代には他の王たちのミイラもこの墓に移されましたが、アメンホテプ2世のミイラはそのままの形で保存されていました。これにより、彼の本来の埋葬状態が確認されることとなりました。

結論

アメンホテプ2世は、古代エジプトの歴史において重要なファラオであり、彼の統治は父トトメス3世の強大な権力を受け継ぎ、エジプトの国力を維持する上で大きな役割を果たしました。その生涯において記された碑文や彼のミイラの発見は、古代エジプトの文化や王族の生活を知る貴重な手がかりを提供しています。

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