アモーレス・ペロス

アモーレス・ペロス（Amores Perros）

『アモーレス・ペロス』は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督による2000年のメキシコ映画です。監督のデビュー作であり、2000年のカンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリ、東京国際映画祭でもグランプリと監督賞を受賞するなど、高い評価を得ました。ガエル・ガルシア・ベルナルが日本で紹介された作品としても知られています。

タイトルはスペイン語で「犬のような愛」を意味しますが、スペイン語圏では犬（perro）を含む表現にはネガティブな意味合いが含まれることがあります。映画のタイトルは、劇中に登場する犬たちだけでなく、「みじめな愛」という裏の意味も示唆しています。

ストーリー

メキシコシティを舞台に、3つの独立した物語が同時進行で展開されます。

オクタビオとスサナ:
青年オクタビオは、兄ラミロの妻であるスサナに秘かに恋心を抱いています。兄との生活に不満を募らせるスサナに贈り物をしようと、オクタビオは愛犬コフィを闘犬として使い、金稼ぎに奔走します。そして、ついにスサナとの駆け落ちを決意します。

ダニエルとバレリア:
誰もが知る売れっ子モデルのバレリアは、妻子あるダニエルと不倫関係にあります。ダニエルは家庭を捨て、バレリアと彼女の愛犬とともに新たな生活を始めますが、予期せぬ悲劇が2人を襲います。

エル・チーボとマル:
常に数匹の犬と行動を共にする初老の男エル・チーボは、裏社会では名の知れた殺し屋。孤独な彼は、離れて暮らす娘マルを陰ながら見守り、時折彼女の部屋に忍び込んでは、忘れ形見を探します。

一見無関係に見える彼らの人生は、ある交通事故をきっかけに交錯し、互いの運命に大きな影響を与えていきます。

キャスト

オクタビオ: ガエル・ガルシア・ベルナル
スサナ: バネッサ・バウチェ
ラミロ: マルコ・ペレス
ダニエル: アルバロ・ゲレロ
バレリア: ゴヤ・トレド
エル・チーボ: エミリオ・エチェバリア
マル: ルルデス・エチェバリア

作品の評価

映画レビューサイトRotten Tomatoesでは、93%の支持率を獲得。「残虐な描写は時に耐え難いが、強烈で骨太な作品」と評されています。Metacriticでは、100点満点中83点を獲得し、高い評価を得ています。

『アモーレス・ペロス』は、人間の愛と暴力、そして運命の残酷さを描き出した、イニャリトゥ監督の才能が光る傑作です。

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