アラキジン酸

アラキジン酸は、特定の植物油に少量含まれる飽和脂肪酸の一種です。具体的には、ピーナッツ油に約1%の割合で含まれていることが知られています。アラキジン酸という名前は、ラテン語でピーナッツを意味する"arachis"に由来しています。

ピーナッツ油以外にも、大豆油やヒマワリ油といった植物油にもアラキジン酸は含まれています。ただし、その濃度はピーナッツ油よりも低く、大豆油では約2%、ヒマワリ油では約1%程度です。

アラキジン酸は、アラキドン酸を水素化することによって生成されます。アラキドン酸は、必須脂肪酸の一つであり、体内で様々な生理活性物質に変換される重要な物質です。アラキドン酸に水素を付加することで、飽和脂肪酸であるアラキジン酸が得られます。

アラキジン酸は、水には溶けにくい性質を持っています。また、化学的に安定であり、界面活性剤としての働きを持つことも特徴です。界面活性剤とは、水と油のように混ざり合わない物質同士を乳化させる作用を持つ物質のことです。アラキジン酸は、このような性質を利用して、様々な用途に利用されています。

アラキジン酸を還元すると、アラキジルアルコールが生成されます。還元とは、分子に水素を付加する反応のことです。アラキジン酸に水素を付加することで、アルコールの一種であるアラキジルアルコールが得られます。

参考文献

Merck Index, 11th Edition, 791.
“Dorland's Medical Dictionary – 'A'”. 2007年1月12日閲覧。

関連項目

* アラキドン酸

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