アラゴンのムデハル様式の建築物

アラゴンのムデハル様式の建築物

アラゴンのムデハル様式の建築物群は、スペイン・アラゴン州に存在する10の建築物から構成され、ユネスコの世界遺産（文化遺産）に登録されています。ムデハル様式とは、イスラム文化の様式を取り入れた中世スペインの独特な建築様式であり、12世紀から16世紀にかけてアラゴンやカスティーリャ地方で発展しました。

登録の経緯

1986年、まず「テルエルのムデハル様式の建築物」として、テルエルの4つの建築物が世界遺産に登録されました。これらは以下の通りです。

サンタ・マリア大聖堂の塔、屋根、ドーム
サン・ペドロ教会と塔
サン・マルティン教会と塔
エル・サルバドル教会の塔

その後、1990年代にサラゴサの住民が、アラゴンには他にも重要なムデハル様式の建築物が多数存在することに気づき、2001年に世界遺産の登録範囲が拡大されました。この際に名称も「アラゴンのムデハル様式の建築物」と改められ、以下の6つの建築物が新たに追加されました。

カラタユー：サンタ・マリア教会の後陣、回廊、塔
セルベラ・デ・ラ・カニャーダ：サンタ・テクラ教区教会
トベド：サンタ・マリア教会
サラゴサ：アルハフェリア宮殿のムデハル様式の遺跡
サラゴサ：ラ・セオの後陣、礼拝堂（パロキエタ）、ドーム
サラゴサ：サン・パブロ教会の塔と教区教会

ムデハル様式の特徴

ムデハル様式は、イスラム建築の要素とキリスト教建築の要素が融合した独特のスタイルを持っています。レンガ造りの壁面、幾何学模様の装飾、繊細なタイル使いなどが特徴的です。これらの建築物は、中世スペインにおける文化交流の証として、非常に重要な価値を持っています。

世界遺産としての登録基準

この世界遺産は、以下の登録基準を満たしていると評価されました。

(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例であること。

各建築物の詳細

サンタ・マリア大聖堂（テルエル）: ムデハル様式を代表する建築物の一つで、その塔、屋根、ドームは非常に美しい。
サン・ペドロ教会（テルエル）: ロマネスク様式とムデハル様式が混ざり合った教会で、その塔は独特のデザインが特徴。
サン・マルティン教会（テルエル）: ムデハル様式の影響を受けたレンガ造りの教会で、美しい装飾が見られる。
エル・サルバドル教会（テルエル）: ムデハル様式の塔が特徴的な教会。
サンタ・マリア教会（カラタユー）: ムデハル様式の特徴が色濃く残る教会で、後陣、回廊、塔が見どころ。
サンタ・テクラ教区教会（セルベラ・デ・ラ・カニャーダ）: 小さな村にある教会で、ムデハル様式の影響を受けている。
サンタ・マリア教会（トベド）: ムデハル様式を取り入れた美しい教会。
アルハフェリア宮殿（サラゴサ）: ムデハル様式とイスラム様式が融合した壮麗な宮殿。
ラ・セオ（サラゴサ）: ゴシック様式とムデハル様式が混ざり合った大聖堂。後陣、礼拝堂、ドームが特に美しい。
* サン・パブロ教会（サラゴサ）: ムデハル様式の塔が特徴的な教会。

これらの建築物は、中世スペインの歴史と文化を今に伝える貴重な遺産であり、多くの観光客を魅了しています。

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