アラジン ジャファーの逆襲

アラジン ジャファーの逆襲：再び始まる冒険

1994年にアメリカで、翌1995年には日本で公開されたディズニー制作のビデオ作品『アラジン ジャファーの逆襲』は、大ヒットを記録した『アラジン』の続編として、多くのファンを魅了しました。約70分の本作は、『アラジンの大冒険』へと繋がるプロローグ的な役割も担い、『アラジン完結編 盗賊王の伝説』と共に「アラジン三部作」として親しまれています。2005年のDVD化を機に、原題が『Aladdin The Return of Jafar』に変更されたことも特筆すべき点です。日本でのセルビデオ出荷本数は驚異の105万本を記録しました。

ストーリー：裏切りの連鎖と友情の絆

前作でランプの魔人となり、アグラバーを支配下に置いたジャファーでしたが、相棒のイアーゴと共にランプに封印され、砂漠の果てに飛ばされてしまいます。しかし、イアーゴは脱出に成功。ジャファーの傲慢な態度に嫌気がさし、ランプを捨て去り、アグラバーに戻り、かつての贅沢な生活を取り戻そうと画策します。

アグラバーに戻ったイアーゴは、偶然にも盗賊団に襲われていたアラジンを救出します。その恩義から、アラジンはイアーゴを王宮に招き入れますが、ジャスミンやサルタンにはそれを隠していたため、後々大きな誤解を生むことになります。

一方、砂漠でランプを発見したアビス・マルは、ジャファーを呼び戻してしまいます。復讐に燃えるジャファーは、アビス・マルと手を組み、アグラバーへと侵攻を開始。イアーゴを操り、アラジンとサルタンをおびき寄せ、ジーニーを水晶に閉じ込めてしまいます。

策略により、アラジンはサルタンとはぐれて滝つぼに落ち、サルタンのターバンがアラジンの部屋で見つかったことから、ジャスミン（実はジャファーの変装）はアラジンを逮捕・処刑しようとしてしまいます。

しかし、罪悪感に苛まれたイアーゴの機転により、ジーニーは解放されます。アラジンとイアーゴは和解し、ジャスミン、サルタンと共にジャファーのランプを破壊しようと奮闘します。ジャファーは再びアグラバーを支配しようとしますが、アビス・マルのせがみにうんざりし、アラジンたちとの激しい戦いに突入します。魔人となったジャファーは圧倒的な力を見せつけますが、ランプの制約によりアラジンたちを殺すことができず、最終的にイアーゴの機転によって溶岩に落とされ、消滅します。

ジャファーを倒したアラジンたちは、イアーゴを仲間として迎え入れ、アグラバーに平和が戻ります。

登場人物：個性豊かなキャラクターたち

本作には、個性豊かなキャラクターたちが登場します。

アラジン: アグラバーの青年。ジャスミンと婚約し、国務大臣になるよう求められますが、街での生活を選びます。
ジャスミン: アグラバーの王女。アラジンと婚約しています。
ジーニー: アラジンの友人であるランプの精。自由の身となったことで魔力が弱まっています。
魔法の絨毯: アラジンの相棒。空を飛ぶことができます。
アブー: アラジンの相棒のサル。イアーゴを警戒しますが、次第に信頼を寄せるようになります。
イアーゴ: ジャファーの相棒だったオウム。人間の言葉を話し、物語のキーパーソンとなります。
ジャファー: 元国務大臣。ランプの魔人となり、アラジンへの復讐を企みます。
サルタン: アグラバー国王。ジャスミンの父。イアーゴを快く思っていません。
* アビス・マル: 盗賊団のリーダー。金に目がくらんだ人物です。

スタッフと日本語吹き替え

本作の制作には、タッド・ストーンズ、アラン・ザスラブ、トビー・シェルトンといった才能豊かなスタッフが関わっています。日本語吹き替え版では、多くの有名声優が参加しており、高いクオリティを誇っています。2008年以降の映像ソフトでは、羽賀研二氏から三木眞一郎氏にアラジンの吹き替えが変更されている点も注目に値します。

ビデオ版とDVD版の違い

ビデオ版とDVD版では、タイトルのフォントやジャファーの死亡シーンが変更されています。DVD版では、子供たちが怖がるシーンが修正されている点が特徴的です。

その他

PlayStation 2用ソフト『キングダム ハーツII』のアグラバーのシナリオは、本作をモチーフにしています。

『アラジン ジャファーの逆襲』は、前作の魅力を継承しつつ、新たな展開とキャラクターたちの成長を描く、まさに傑作アニメーションと言えるでしょう。

もう一度検索