アラモード (フジファブリックのアルバム)

フジファブリックの『アラモード』は、2003年6月21日にリリースされたインディーズ時代の2枚目のミニアルバムです。本作は、金澤ダイスケ（キーボード）と加藤慎一（ベース）が正式メンバーとして加入後、初めて制作されたアルバムであり、初期のドラマーである渡辺隆之が参加した最後の作品という点でも、バンドにとって重要なターニングポイントとなりました。

アルバムの帯に寄せられたコメントは、当時フジファブリックが出演していたFM802のラジオ番組「MIDNIGHT GARAGE」のDJ、土井コマキによるものです。インディーズ時代ならではの自由な発想と、後のメジャーデビューへと繋がる音楽的な萌芽が感じられる内容となっています。

収録曲は以下の通りです。

1. 花屋の娘
2. 追ってけ追ってけ
3. お月様のっぺらぼう
4. 消えるな太陽
5. 環状七号線
6. 笑ってサヨナラ

楽曲解説

花屋の娘: ミュージックビデオも制作された楽曲。志村正彦（ボーカル、ギター）は、「今後やらないだろうという、演技を頑張っているPV」と語っています。後にプレデビューアルバム『アラモルト』にてリメイクされました。

追ってけ追ってけ: その後、メジャーデビュー後のアルバム『フジファブリック』で再びリメイクされています。

お月様のっぺらぼう: キーボードのテイクは、金澤ダイスケが39度の高熱を出し、「意識が朦朧としていた」状態で録音されました。解熱後に録り直す予定でしたが、「どうやってもこの感じが出せなかった」ため、このテイクがそのまま採用されたというエピソードがあります。独特の浮遊感は、偶然が生み出した産物と言えるでしょう。

消えるな太陽: 『お月様のっぺらぼう』と『消えるな太陽』は、メジャーデビュー後にリテイクされていません。インディーズ時代のオリジナルバージョンを聴くことができる貴重な楽曲です。

環状七号線: プレデビューアルバム『アラモルト』で再びリメイクされています。ライブでも定番の盛り上がりを見せる曲です。

笑ってサヨナラ: こちらも『アラモルト』でリメイクされています。初期のフジファブリックを代表する楽曲の一つです。

演奏メンバー

志村正彦 - ボーカル、ギター
渡辺隆之 - ドラムス、コーラス
金澤ダイスケ - キーボード、コーラス
加藤慎一 - ベース、コーラス

『アラモード』は、フジファブリックのインディーズ時代の活動を知る上で欠かせない作品です。後のメジャーシーンでの活躍を予感させる、実験精神に満ちたサウンドと、初期メンバーならではの熱量が凝縮されています。特に、金澤と加藤の加入によって音楽性が広がりを見せ始めた時期であり、渡辺のドラムがバンドサウンドに独特の推進力を与えている点も見逃せません。彼らのルーツを辿り、その音楽的進化を感じ取ることができるでしょう。

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