アリアンツ・パルケ

ブラジル最大の都市サンパウロに位置するアリアンツ・パルケは、活気に満ちた多目的アリーナです。南米を代表する強豪サッカークラブ、SEパルメイラスのホームスタジアムとしてサポーターの熱狂を受け止める一方、音楽コンサート、企業イベント、その他様々な大型ショーの会場としても機能しています。このアリーナは、しばしば「アレナ・パレストラ・イタリア」や「アレナ・パルメイラス」といった別の呼び方で称されることもあります。日本では「アリアンツ・パルケ」というポルトガル語の慣習的な読み方が一般的ですが、ブラジル本国では「アリアンス・パルキ」に近い発音で呼ばれるのが通例です。

この近代的な施設の建設は、かつて同じ敷地に存在した古いスタジアム「エスタジオ・パレストラ・イタリア」の老朽化に伴い計画されました。旧スタジアムは解体され、その跡地に2010年から新たなアリーナの建設が進められました。約4年の歳月を経て、2014年 11月に現在の姿が完成しました。スタジアムの命名権は、世界的に事業を展開するドイツの保険金融グループ、アリアンツが取得しています。ただし、コパ・リベルタドーレスのような国際サッカー連盟（FIFA）や南米サッカー連盟（CONMEBOL）主催の大会では、命名権名を使用できないため、歴史的な名称である「アレナ・パレストラ・イタリア」が用いられる規則となっています。

アリアンツ・パルケは、ブラジル国内のスタジアムの中でも、最も進んだ設備と多目的性を兼ね備えた施設の一つとして高く評価されています。最新鋭の音響や照明システム、快適な観客空間、そしてイベントの種類に応じて観客収容数やステージ配置を柔軟に変更できる設計がその特徴です。

スタジアムとして初めて公式戦が開催されたのは、完成から間もない2014年 11月19日でした。この日行われたのは、ブラジル全国選手権セリエAのSEパルメイラス対スポルチ・レシフェ戦でした。新生アリーナでの記念すべき一戦は、残念ながらホームのパルメイラスが0対2で敗れましたが、この試合には35,939人の観客が詰めかけ、新スタジアムの歴史的な第一歩を目撃しました。

サッカー以外のイベントとしては、完成からわずか数日後の2014年 11月25日と26日に開催されたポール・マッカートニーのコンサートが最初の大型エンターテイメントとなりました。これを皮切りに、アリアンツ・パルケは国際的なトップアーティストを次々と迎える主要な会場としての地位を確立しています。これまでに、ロッド・スチュワート、エルトン・ジョン、ジェームズ・テイラー、アンドレア・ボチェッリ、ディープ・パープル、アイアン・メイデン、ガンズ・アンド・ローゼズ、エアロスミス、コールドプレイ、ミューズ、マルーン5、ジャスティン・ビーバー、TWICEなど、ロック、ポップ、クラシックといった多様なジャンルの著名アーティストがここでパフォーマンスを行っています。これらの実績は、アリアンツ・パルケが南米におけるエンターテイメントの中心地の一つであることを証明しています。

また、サッカーのピッチについては、2020年シーズンから改良が加えられました。天然芝から人工芝へと張り替えが行われ、これによりスタジアムのメンテナンスが容易になり、サッカー以外のイベント開催時にもピッチへの影響を最小限に抑えることが可能となりました。

アリアンツ・パルケは、SEパルメイラスの熱狂的なホームゲームから、世界的なスーパースターのライブまで、多岐にわたるイベントをホストするサンパウロの象徴的なランドマークです。その優れた設備と柔軟性は、これからも多くの人々に興奮と感動を提供し続けるでしょう。

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