アリババと40匹の盗賊

『アリババと40匹の盗賊』

『アリババと40匹の盗賊』（英文：Alibaba And Forty Thieves）は、1971年に公開された東映製作のアニメ映画です。この作品は、アラビアンナイトの名作「アリババと40人の盗賊」を基にしたギャグアニメで、全体の時間は56分に及びます。

概要

本作は「アリババと40人の盗賊」をアニメ化したもので、アラジンのランプをテーマにした要素も取り入れられています。物語の中心は、アリババの子孫であるアリババ33世と、盗賊団の首領の子孫であるアル・ハックの対立です。興味深い点は、善悪の位置付けが逆転しているところです。アリババは、彼の権力を悪用する一方で、アル・ハックは彼とその部下たちの力を借りて、王国の不正を正そうと奮闘します。この作品では、重要な女性キャラクターが存在しない点が特異で、男性キャラクター同士の闘争がメインとなります。

アニメーションの演出は設楽博が手がけ、脚本は山元護久が担当しており、彼は以前『ひょっこりひょうたん島』などに関与していました。映画公開から1か月後、プロデューサーの大川博が亡くなり、これが彼の最後の作品となりました。また、多数の作品に関わった宮崎駿もこの作品を通じて東映を退社しました。

5年後の1976年には、上映時間を53分に短縮したリバイバル版が公開されることになります。

ストーリー

物語はアリババ王国という不思議な国に設定されています。国王であるアリババ33世は、かつて40人の盗賊団との戦いで名を馳せたアリババの子孫です。物語は、アリババが朝食を取ろうとするところから始まりますが、出てきたのはペットのメスネコ・ミケの分だけ。

不思議なことに、アリババは地下にあったお宝の蔵を訪れると、そこには何も残っておらず、過去に全てを使い果たしてしまったことを知ります。残ったのはただ一つ、汚れたランプでした。このランプを擦ると、そこから魔物が現れますが、彼は猫が苦手であり、アリババはネコ狩りを始めることになります。

この猫狩りに立ち向かうのは青年アル・ハックと彼の従者であるネズミのカジル。彼らは捕まった猫たちを救出し、共にアリババに挑戦することを決意します。一方アリババは魔物の力を使って次々と奪い取る生活を続け、さらにはアリババの銅像を建てていくのです。

ある日、満月の夜、ハックたちは古い絨毯を発見し、魔物と共にアリババ城に乗り込みます。そこで起きる騒動は、予想外の結末を迎えます。魔物はアリババに襲いかかりますが、猫たちの協力によってアリババは追い詰められ、ついには湖に逃げ込みます。

ハックたちは無事に勝利を収め、遊園地として生まれ変わったアリババ城で、潤いある笑顔を取り戻すという結末に至ります。ハックは真の宝物である笑顔を見つけ出し、物語はハッピーエンドを迎えるのです。

主なキャラクター

• - アル・ハック: 本作の主人公で、アリババから幸せを取り戻そうと奮闘します。
• - カジル: アル・ハックを支えるネズミ。賢く、ハックに忠実です。
• - ドラ: 野良猫のボスで、アル・ハックに従います。
• - アリババ33世: 権力に溺れる王で、本作では完全な悪役です。

この映画の魅力は、ユーモア満載のストーリーと、キャラクター同士の緊張感のあるやりとりにあります。楽しみながらも深く考えさせられる内容です。

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