アルカセル・ド・サル

アルカセル・ド・サル（Alcácer do Sal）は、ポルトガル、セトゥーバル県に位置する都市であり、同名の基礎自治体の中心地です。都市の人口は約6,600人であり、基礎自治体としては国内でも有数の広さを誇ります。

歴史

この地の歴史は非常に古く、旧石器時代にまで遡ります。フェニキア人はこの地をケイティオン（Keition）と呼び、重要な内港として利用していました。ローマ時代にはサラティア（Salatia）と呼ばれ、イベリア半島の塩貿易の中心地として繁栄しました。サラティアは「サラティア・ウルブス・インペラトリア（Salatia Urbs Imperatoria）」とも呼ばれ、この地域唯一のローマ帝国都市として重要な地位を占めていました。西ゴート時代にも、その重要性は変わることはありませんでした。

8世紀にウマイヤ朝がイベリア半島を征服すると、9世紀にはムラディが内戦に勝利し、この都市はアブー＝デニス家の領地となりました。都市の名前はカスル・アビー・ダーニス（Qaşr Abī Dānis、「アブー＝デニスの城」という意味）と改められ、単にアル・カスル（Al Qaşr、「城」）と呼ばれるようになりました。レコンキスタ（国土回復運動）後も、アラビア語由来の「アルカセル」という名前が残り、ローマ時代のサラティアに由来する「Sal」が付け加えられ、現在のアルカセル・ド・サルという地名になったとされています。

出身者

ペドロ・ヌネシュ：ポルトガルの数学者、宇宙学者。

観光

アルカセル・ド・サルは、その長い歴史を反映した多くの観光スポットがあります。ローマ時代の遺跡やムーア人の城跡など、様々な時代の遺産を見ることができます。また、周辺地域は豊かな自然に恵まれており、ハイキングやバードウォッチングなどのアクティビティも楽しめます。

外部リンク

基礎自治体サイト

アルカセル・ド・サルは、歴史と自然が調和した魅力的な都市であり、ポルトガルを訪れる際にはぜひ立ち寄りたい場所の一つです。

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