アルコホーリクス・アノニマス

アルコホーリクス・アノニマス（AA）

アルコホーリクス・アノニマス（AA）は、アルコール依存症者による自助グループです。1935年、アメリカでビル・ウィルソンとボブ・スミスによって設立され、現在では世界中に広がっています。AAの目的は、アルコール依存症からの回復を支援することであり、その活動は、互いの経験を分かち合い、支え合うことに基づいています。

AAの活動

AAの中心的な活動は、定期的に開催されるミーティングです。ミーティングでは、参加者同士が自分の経験や考えを共有し、互いに励まし合います。匿名性を重視しており、参加者の個人情報は保護されます。ミーティングの種類はさまざまで、テーマ別ミーティングや初心者向けのミーティングなどがあります。また、ステップミーティングや伝統ミーティングなど、AAのプログラムを学ぶ機会も提供されています。

AAは、宗教、政治、その他の組織とは一切関係がありません。会員制度や会費はなく、参加には飲酒をやめたいという強い意志のみが必要です。

AAのプログラムは、「12のステップ」と「12の伝統」に基づいています。「12のステップ」は、アルコール依存症からの回復のための指針であり、「12の伝統」は、AAの運営方法を定めたものです。

AAでは、スポンサーシップも重要な役割を果たします。スポンサーは、回復過程にあるメンバーを支援し、アドバイスを提供する経験豊富なメンバーです。

さらにAAでは、メッセージ活動も積極的に行っています。これは、アルコール依存症者のいる施設を訪れ、経験を共有し、回復を支援する活動です。

アラノン

アラノン(Al-Anon)は、アルコール依存症者の家族や身近な人のための自助グループです。AAと同様に、「12のステップ」と「12の伝統」に基づいて活動しており、家族や関係者が抱える問題や苦悩を共有し、支え合う場を提供しています。

ミーティングの種類

AAのミーティングは、様々な種類があります。

オープンミーティング: アルコール依存症の人だけでなく、家族や友人、医療関係者など誰でも参加できます。
クローズドミーティング: アルコール依存症からの回復を望む本人だけが参加できます。
テーマミーティング: 特定のテーマに沿って話し合うミーティングです。
ステップミーティング: AAの「12のステップ」について学ぶミーティングです。
伝統ミーティング: AAの「12の伝統」について学ぶミーティングです。
ビッグブックミーティング: AAのテキスト「アルコーホーリクス・アノニマス（ビッグブック）」を題材としたミーティングです。
ビギナーズミーティング: AAを始めたばかりの人を対象としたミーティングです。
スペシャル・インタレスト・ミーティング: 女性、若者、LGBTQ+など、特定の属性を持つ人々を対象としたミーティングです。

AAと日本の現状

日本では、AAは全国各地で活動しています。多くのミーティングでは、参加者は匿名でニックネームを使用します。正確な会員数は不明ですが、数千人がAAのプログラムに参加していると推定されています。

関連団体

AAと類似の自助グループとしては、ギャンブラーズ・アノニマス（GA）、ナルコティクス・アノニマス（NA）などがあります。日本では、AAを参考に設立された断酒会もあります。ただし、断酒会はAAとは異なり、実名参加、家族参加、組織化されているなどの違いがあります。

結論

AAは、アルコール依存症者にとって貴重な支えとなる自助グループです。匿名性、会員制度の非存在、多様なミーティング形式など、参加しやすい環境が整備されています。アルコール依存症に悩む人、またはその家族や友人にとって、AAは希望の光となるでしょう。また、AAの活動は、アルコール依存症の問題に対する社会的な理解を深める上でも重要な役割を果たしています。

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