アルゴ・スポーツ

概要

アルゴ・スポーツ（Agon Sports）は、ドイツ・ベルリンに拠点を置くボクシングプロモーション会社です。2017年10月、インゴ・ヴォルクマン氏によって設立されました。ドイツ国内だけでなく、国際的な舞台での活動も展開しており、有力選手のマネジメントや大規模なボクシング興行の企画・運営を手掛けています。

来歴

アルゴ・スポーツは、設立後比較的早期からドイツボクシング界で注目を集める存在となりました。その動向は、特に長年にわたりドイツボクシング界を牽引してきたザウアーラント・イベントとの関連で語られることが少なくありません。

設立間もない2018年2月16日には、ザウアーラント・イベントとの契約を終えた元WBA世界スーパーウェルター級暫定王者ジャック・クルカイを新たな所属選手として迎え入れました。これは、アルゴ・スポーツが実績のある有力選手を中心に活動を展開していく姿勢を示すものとなりました。

同年3月10日、同社はギュータースローのスタッドハレ・ギュータースローにて、記念すべき旗揚げ興行を実施。プロモーターとしての第一歩を踏み出しました。

2018年11月15日には、再びザウアーラント・イベントから離れた元IBF世界スーパーミドル級王者タイロン・ツォイゲの加入を発表。ドイツのボクシングシーンにおける主要選手を次々と獲得し、その選手層を強化していきました。

世界タイトル戦線への関与も積極的に行っています。2019年1月15日に行われたIBF世界ミドル級挑戦者決定戦の興行権入札には、クルカイを擁するアルゴ・スポーツとして初めて参加しましたが、セルゲイ・デレフヤンチェンコを擁するディベイラ・エンターテイメントが提示した425,515ドルに対し、アルゴ・スポーツは397,713ドルを提示。落札には至りませんでしたが、世界レベルの試合実現に向けた意欲を示しました。

興味深い動きとして、2020年8月28日には、ベルリンのハーベルスタジオにて、アルゴ・スポーツが主催し、ザウアーラント・イベントとの共催による興行を開催しました。この興行では、ビンセント・フェイゲンブッツ対ジェマ・サイディー、そしてジャック・クルカイ対アッバス・バラオウという、両団体所属選手による対抗戦形式の主要カードが組まれました。特にクルカイ対バラオウ戦はIBF世界スーパーウェルター級挑戦者決定戦として行われ、フェイゲンブッツとクルカイがそれぞれ勝利を収めました。これは、過去のライバルとも見なせる両団体が協力関係を築いた象徴的な出来事と言えます。

選手の移籍も起こっています。2022年8月には、契約上の問題を抱えていたタイロン・ツォイゲが、フィデス・スポーツへ移籍することが発表されました。

一方、アルゴ・スポーツは再び世界タイトル戦の興行権獲得に成功しています。2023年5月2日、ゲンナジー・ゴロフキンの王座返上に伴うIBF世界ミドル級王座決定戦の興行権入札が行われました。アルゴ・スポーツは、自身が擁するIBF世界ミドル級3位ビンセンツォ・グアルティエリを挑戦者とするべく入札に参加。IBF世界ミドル級1位エスキバ・ファルカンを擁するトップランクが375,000ドルを提示する中、アルゴ・スポーツは410,000ドルを提示し、これを上回って落札に成功しました。これにより、所属選手であるグアルティエリによる世界王座挑戦が実現しました。

主な契約選手

アルゴ・スポーツに現在所属する主なボクサーには、ジャック・クルカイ、ビンセンツォ・グアルティエリ、エティノサ・オリハなどがいます。過去にはタイロン・ツォイゲ（2022年8月にフィデス・スポーツへ移籍）やジェマ・サイディーといった選手も所属していました。

アルゴ・スポーツは、ドイツボクシング界において、設立から短期間で主要なプロモーション会社の一つとしての地位を確立しており、今後の動向が注目されています。

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