アルザオ

アルザオ (Alzao)

アルザオは、アメリカ合衆国ケンタッキー州に誕生したサラブレッド馬であり、競走馬としての経歴はそれほど目立たなかったものの、その後の種牡馬としての成功により競馬界において高い評価を受けています。イギリス、フランス、イタリアなどで競走生活を送ったアルザオは、特にイタリアのエリントン賞（G3）の優勝が著名で、フランスにおいてはラ・クープ・ド・メゾンラフィット（G3）での2着成績も残しています。

競走成績はその程度であり、特筆すべき実績がなかったため、馬の売買が進む中で注目を浴びることが少なかったのですが、その後、アイルランドのラスバリースタッドを運営するリアム・キャッシュマンによる種牡馬としての可能性を見込まれて購入され、1985年から種牡馬としてのキャリアをスタートさせました。

アルザオは早い段階から非常に優れた産駒を輩出しました。初年度の産駒にはアイルランドで最優秀2歳牝馬に選ばれた「Pass the Peace」が含まれています。この牝馬は、その後も多くの栄光を手にすることになります。また、アメリカでビヴァリーヒルズハンデキャップを制した「Alcando」もアルザオの名を広める要因となりました。

1990年頃からはクールモアスタッドへ移り、そこでの生産も多くの成功を収めることになります。アルザオは15頭ものG1優勝馬を排出しましたが、その中でも多くの牝馬が活躍を見せました。特に「Alpride」（イエローリボンステークス）や「シャトゥーシュ」（オークス）など、牝馬の成績が顕著です。そのため、アルザオはフィリーサイアーとして知られるようになりました。2005年には、彼の産駒から生まれたステークスウィナーの数が100頭を突破し、その名声は不動のものとなりました。

2005年の時点で、種付け料は7,500ユーロで設定されていましたが、彼の影響力は依然として続いていました。種牡馬としての歴史を持ち、2006年には現役を引退し、アイルランドのクールモア・キャッスルハイド分場にて余生を過ごしました。2007年には他界しました。

日本においてもアルザオの名は広がり、特に彼の産駒の「ウインドインハーヘア」が三冠馬ディープインパクトを産んだことが大きな話題となりました。この成功により、アルザオの名は日本の競馬ファンの間にも深く浸透したのです。さらに、他の産駒の「カプリッチョーサ」はチェヴァリーパークステークスを勝ち、その後も多くの良血馬を輩出しています。

主な産駒

- Second Set（サセックスステークス）
- シャトゥーシュ（オークス）
- Winona（アイリッシュオークス）
- Matiya（アイリッシュ1000ギニー）
- Alborada（チャンピオンステークス2回）
- Pass the Peace（チェヴァリーパークステークス）
- カプリッチョーサ（チェヴァリーパークステークス、モイグレアスタッドステークス）
- Alcando（ビヴァリーヒルズハンデキャップ）
- Alcazar（ロワイヤル・オーク賞）
- Timi（伊オークス）
- ウインドインハーヘア（アラルポカル）

アルザオはそのキャリアを通じて、競馬界に多くの名馬を残し、後世に語り継がれる存在となっています。

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