サラブレッド

サラブレッド

サラブレッド（英: Thoroughbred）とは、18世紀初頭にイギリスでアラブ馬やハンター等の在来種と交配し、競走用に特化して改良された軽種馬のことを指します。サラブレッドは主として競馬に使われるものの、乗馬やポロ、さらにはオリンピックの馬術競技でも一部活躍しています。特にアメリカの障害飛越殿堂馬の中で、サラブレッドは15頭を占めるという実績があります。

名称の由来

「サラブレッド」の語源は、英語の「thorough」（偉大な、完璧な）と「bred」（育てられた）に由来し、人為的に管理された完璧な血統を意味します。これにより「名家の出」といった比喩的な使い方もされるようになります。

身体的特徴

サラブレッドの体高は約160cmから170cm、体重は450kgから500kgが一般的です。頭部は小さく、長い脚と発達した筋肉を持ち、速く走ることができる体型をしています。しかし、その繊細な体は怪我や病気に弱く、大きな音や閃光に敏感で神経質な一面も持ち合わせています。

毛色には鹿毛、黒鹿毛、栗毛、芦毛といった標準的なもの以外に、青毛、駄毛、栃栗毛などの異なるバリエーションがありますが、白毛や駁毛のように珍しいものも存在しています。

競走能力

サラブレッドは競走中に、人を背負った状態で時速50kmから70kmの速度を数分間維持する能力を持っています。2002年には、日本で行われた1000mレースで600mから800mの間に200mを9.6秒で通過した記録もあり、この馬は56kgの負担を背負っていました。サラブレッドの競走は短距離であっても、陸上競技でいうと400mから800mの中距離走に相当するとされ、2005年には402mの短距離レースで時速84kmをマークする快挙も見られました。

血統

1791年以降、サラブレッドには厳格な血統登録が行われています。つまり、全てのサラブレッドには血統書が存在し、両親がサラブレッドでなければ認められないのが基本です。ただし、サラブレッド系種に8代連続でサラブレッドとの交配を行った場合はサラブレッドと認定されることもあります。全てのサラブレッドは父系において、三大始祖であるゴドルフィンアラビアン、バイアリーターク、ダーレーアラビアンのいずれかに遡るため、これらは特に重要な存在です。

生産

サラブレッドの繁殖は、繁殖牝馬に種付けするところから始まります。3月から6月は馬の発情期で、人気種牡馬により種付けされることが多いですが、種付け料は種牡馬によって異なり、高額なものもあります。重要なのは、サラブレッドとして認められるためには自然交配が必須で、人工授精は認められていません。妊娠期間は約11ヶ月で、4月に種付けされた馬は翌年の3月に仔馬を出産します。

生産国とその状況

世界中で生産されているサラブレッドは、特にアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパで数多く見られます。年々の生産数は約9万頭にのぼり、アメリカのケンタッキー州がその中心地点とされています。また、アイルランドでは大きな生産拠点があり、多くの競走馬がこちらから供給されています。日本でも多くの馬が生産されていますが、2011年にはその数が7000頭を下回るなど、経済的な影響で減少傾向があります。

サラブレッドの年齢の数え方

馬の年齢は生まれた時点を0歳として計算し、その後毎年1月1日（南半球では8月1日）に1歳ずつ加算していきます。日本では2000年まで生まれた時を1歳として数えていたため、古いデータについては注意が必要です。

歴史的背景

サラブレッドの始まりは、イギリスでアラブ馬と在来種の交配を行ったことに遡ります。16世紀には競馬において顕著な成績を残した馬も存在し、徐々に改良が進められてきました。重要な血統として三大始祖が誕生し、現在のサラブレッドの原型に至ります。その後、さまざまな改良が行われ、現在のスピード競技に最適化された馬へと進化していきました。

サラブレッドは、単なる競走馬としての側面だけでなく、馬術やポロ、そして文化的側面でも重要な地位を築いているのです。

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