アルバコア (SS-218)

アルバコア (USS Albacore, SS-218)

アルバコアはアメリカ海軍のガトー級潜水艦の一隻で、艦名はビンナガマグロに由来しています。1941年に起工され、1942年に就役したこの潜水艦は、第二次世界大戦中に多くの哨戒任務を遂行しました。最初の艦名を持つ潜水艦は、第一次世界大戦に徴用された民間モーターボートに由来します。

艦歴のはじまり

アルバコアは1941年4月21日にコネチカット州グロトンで船体が起工されました。1942年2月には進水し、その後、艦長リチャード・クロス・レイク少佐に率いられ、同年6月に正式に就役しました。初めての哨戒任務として、8月28日にトラック諸島方面へ向けて出航しました。

初めての戦闘

同年9月、アルバコアは偵察を行い、トラック北東海域で二隻の輸送船を発見。戦闘配置を取り、発射した魚雷が1隻を撃沈したと確認されます。その後、様々な艦船と遭遇しましたが、多くの攻撃において命中を果たせず、10月中旬には一旦ミッドウェーに帰投しました。

さらなる哨戒任務

アルバコアはその後も引き続き哨戒任務を重ね、特にソロモン諸島、ニューギニア方面において、敵艦船への攻撃を試みました。1942年12月には、ニューブリテン島近海で大規模な輸送船団を発見し、攻撃を行います。特に、「天龍」という軽巡洋艦の沈没はアルバコアの名を広めるきっかけになりました。この攻撃が成功したことにより、アルバコアはアメリカの潜水艦として初めて軽巡洋艦を撃沈したという評価を受けました。

さらなる戦果と困難

1943年に入ると、アルバコアはビスマルク海、ソロモン諸島付近で艦船を追跡し、攻撃を続けました。一方、誤爆によって友軍の爆撃で損傷を負い、一時沈没の危機を迎える場面もありました。それでも、戦闘を再開し、敵艦船への攻撃を続行しました。

最後の哨戒

1944年に入ると、アルバコアは日本近海での哨戒任務を行い、数々の成功を収めましたが、その後の行動は失踪によって幕を閉じることになります。1944年11月7日、アルバコアは津軽海峡で機雷に触れ、沈没が確認されました。この事件は日本側の記録にもしっかりと残されています。

アルバコアの遺産

その後の調査で、アルバコアの遺骸は2022年に確認され、潜水艦の残骸としての意義が再認識されています。アルバコアは9回の哨戒中に多くの戦果を挙げ、最終的には9個の従軍星章を受け取っていたことでも知られています。彼女の艦名は後に実験潜水艦に受け継がれ、残った乗員たちはその命名式にも立ち会ったといいます。アルバコアの存在は、アメリカ海軍の潜水艦戦の象徴として、今も多くの人々に記憶されています。

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