アルバーズ・カーン

アルバーズ・カーン（Arbaaz Khan）

アルバーズ・カーンは、1967年8月4日に生まれた、インドの映画界で多方面にわたる活動を展開する人物です。彼はボリウッドを中心に、俳優、映画監督、そして映画プロデューサーとしてその名を知られています。

生い立ち

アルバーズは、ボリウッドにおいて長年にわたり影響力を持つサリーム・カーン家の出身です。著名な脚本家である父サリーム・カーンと、母スシラ・チャラクの次男として誕生しました。後年には、ダンサーで女優としても活躍したヘレンが彼の継母となります。彼の兄弟には、インド映画界を代表する俳優の一人である兄のサルマーン・カーン、そして同じく俳優として活動する弟のソーヘル・カーンがいます。また、妹のアルヴィア・カーン・アグニホトリは、俳優のアトゥール・アグニホトリと結婚しています。このように、アルバーズは幼少期から映画業界に深く関わる環境で育ちました。

キャリア

俳優活動

彼の俳優としてのキャリアは、1996年の映画『Daraar』で幕を開けました。このデビュー作でアルバーズは、精神的な問題を抱える妻に対して虐待を行う夫という、挑戦的な役柄を演じました。その演技は高い評価を受け、フィルムフェア賞において悪役賞を受賞するという華々しいスタートを切ります。その後も彼は、主に物語を支える助演俳優として多くの作品に出演し、成功を収めていきました。『Pyaar Kiya To Darna Kya』や『Garv』といった作品がその代表例です。

2003年には、アジャイ・デーヴガンと共演したスリラー映画『Qayamat: City Under Threat』に出演し、この作品は興行的に大きな成功を収めました。さらに、著名な監督であるプリヤダルシャンのコメディ作品に続けて起用され、『Hulchul』（2004年）、『Malamaal Weekly』（2006年）、『Bhagam Bhag』（2006年）などに出演しています。2007年には、『Fool & Final』でギャングの役を、そして『ラカンドワーラーの抗争』では警察官の役を演じるなど、役柄の幅を広げました。

家族との共演も多く、2008年の映画『君が気づいていなくても』では弟のソーヘル・カーンと共にカメオ出演し、2009年の『Kisaan』では再びソーヘルと共演しています。また、『Jai Veeru』（2009年）ではファルディーン・カーンとも共演しました。映画俳優としての活動に加え、2003年にテレビドラマ『Karishma – The Miracles of Destiny』に出演して以降、テレビ番組でもその姿を見せるようになりました。

映画製作と監督

2010年、アルバーズは新たな挑戦として映画製作の道に進みます。自身の名を冠した製作会社「アルバーズ・カーン・プロダクション」を設立し、最初の作品として映画『ダバング 大胆不敵』を製作しました。この作品では、兄サルマーン・カーンが主役を務め、アルバーズ自身もサルマーン演じる主人公の弟役で出演しています。さらに、当時の妻であったマライカ・アローラも、作中のアイテム・ナンバーとして出演し、話題を呼びました。

『ダバング 大胆不敵』は公開されるや否や、驚異的な人気を集め、わずか1週間で大ヒット（ブロックバスター）となりました。この成功は当時のボリウッド映画の歴代興行成績において第2位という快挙でした。この大成功を受けて、アルバーズは2012年に製作された続編『ダバング2』で、ついに映画監督としてもデビューを果たしました。製作と監督という二つの役割を兼任することで、彼は自身のキャリアをさらに多角的に展開しています。

私生活

私生活においては、1998年に女優のマライカ・アローラと結婚し、2002年には息子が誕生しました。しかし、その後二人の関係は変化し、2016年3月28日に離婚することを発表しました。そして、2017年5月11日に正式な離婚が成立しました。

アルバーズ・カーンは、俳優として脇役ながら強い存在感を示し、さらにはプロデューサー、監督としても大きな成功を収めた、ボリウッド界において重要な役割を担う人物と言えるでしょう。

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