アルバート通り

アルバート通りは、ロシアの首都モスクワの中心部に位置する、歴史と文化が息づく有名な通りです。アルバート広場からスモレンスカヤ広場へと続く約1.2kmの道は、現在では歩行者天国として整備され、多くの観光客や地元の人々で賑わっています。

歴史

アルバート通りの歴史は古く、少なくとも15世紀にはその存在が確認されています。交易路として発展したこの通りには、多くの商人が住み、活気ある商業の中心地として栄えました。18世紀になると、貴族たちが邸宅を構えるようになり、通りは次第に洗練された雰囲気を帯びていきました。しかし、1812年のナポレオンによるモスクワ侵攻の際、街は大火に見舞われ、アルバート通りも壊滅的な被害を受けました。それでも、街はすぐに復興され、19世紀末から20世紀初頭にかけては、プチ・ブルジョワ、芸術家、学者などが集まる場所として、新たな賑わいを見せました。

ソビエト時代には、高級官僚がこの通りに居住し、特別な雰囲気を醸し出していました。1957年から1963年にかけては、アルバート通りのすぐ北側に「ノーヴイ・アルバート通り」が建設され、モスクワの都市景観は大きく変化しました。

歩行者天国として

1980年代、アルバート通りはソビエト連邦で初めての歩行者天国となりました。ペレストロイカの時代には、若者たちが集まる場所となり、ハードロックカフェなどの店もオープンし、新たな文化の発信地となりました。現在では、通り沿いには様々なお店やレストラン、カフェなどが立ち並び、大道芸人や音楽家などがパフォーマンスを繰り広げ、訪れる人々を楽しませています。

名称の由来

「アルバート」という名称の由来については、諸説ありますが、はっきりとしたことは分かっていません。この謎めいた名前も、アルバート通りの魅力の一つと言えるでしょう。

交通

アルバート通りへのアクセスは、地下鉄が便利です。フィリョーフスカヤ線およびアルバーツコ＝ポクローフスカヤ線のアルバーツカヤ駅、スモレンスカヤ駅が最寄り駅となります。

アルバート通りは、歴史的な建造物や文化的なスポットが点在し、モスクワを訪れる人々にとって、必見の観光名所となっています。通りを歩けば、ロシアの歴史と文化、そして現代の息吹を感じることができるでしょう。

もう一度検索