アルファロメオ・C38

アルファロメオ・C38について

アルファロメオ・C38は、ザウバーが開発したフォーミュラ1マシンであり、2019年のF1世界選手権に投入されました。この車両は、2019年2月14日にフィオラノ・サーキットで初めてのシェイクダウンテストを実施し、同年2月18日にカタロニア・サーキットで正式にお披露目されました。ザウバーは、前年からアルファロメオとの提携を始め、チーム名を「アルファロメオ・レーシング」に変更し、コンストラクターとしての名称も「ザウバー」から「アルファロメオ」へとシフトしました。ただし、チームの運営は依然としてザウバーが行い、独立した体制を維持しています。マシンの名称は、ザウバー時代の流れを引き継ぎ「C38」と名付けられました。

2019年シーズンの概要

2019年シーズンには、元フェラーリのドライバーであるキミ・ライコネンが移籍し、共にフェラーリでリザーブドライバーを務めたアントニオ・ジョヴィナッツィが加わり、新たなドライバーラインナップが整いました。ライコネンは、F1デビューを果たした2001年からの古巣復帰ということもあり、大きな注目を集めました。ジョヴィナッツィも2017年以来のフル参戦となり、期待が高まりました。

プレシーズンテストでは、パワーユニットに関連するトラブルがあったものの、全体的な進行は順調であり、開幕戦のオーストラリアGPでは予選Q3進出や開幕からの4戦連続入賞を達成しました。ジョヴィナッツィは初のフル参戦ながらも、第4戦のアゼルバイジャンGPでついにQ3に進出することに成功。しかし、第5戦のスペインGP以降は、マシン開発の遅れが影響し、チーム全体のパフォーマンスが鈍化することとなった。

それでも、第8戦のフランスGPで新しく投入されたパーツの効果が感じられ、ジョヴィナッツィは予選でQ3に進出し、ライコネンは入賞を果たしました。次のオーストリアGPでは両ドライバーが低めながらもQ3に進出し、ダブル入賞を達成し、特にジョヴィナッツィにとってはキャリア初の表彰台となりました。シーズン前半は、ライコネンが特に安定した走行を見せていましたが、後半になると他チームのマシン開発が進み、相対的に戦闘力が低下し、苦戦を強いられる形となりました。ジョヴィナッツィも2度の入賞を果たしながらも、戦闘力に課題を抱えるシーズンとなりました。

シーズン終盤のブラジルGPでは、両ドライバーが揃って入賞を果たし、コンストラクターズランキングで8位を確保しましたが、全体的な戦績は前年と大きな変化を見せず、継続的な競争力の向上が求められる結果に終わりました。

マシンスペック

アルファロメオ・C38は、以下のようなスペックを持っています:

• - シャシー名: アルファロメオ・C38
• - モノコック: 成形カーボンファイバー
• - フロントサスペンション: ダブルウィッシュボーン、プッシュロッド式インボードスプリング & ダンパー
• - リアサスペンション: マルチリンク、プルロッド式インボードスプリング & ダンパー
• - ブレーキ: ブレンボ 6ピストンキャリパー、カーボン・インダストリー カーボンコンポジット製ディスク & パッド
• - トランスミッション: フェラーリ 8速クイックシフト・カーボンギアボックス（縦置き）、カーボンコンポジット製クラッチ
• - エレクトロニクス: MES
• - ERS: フェラーリ
• - タイヤ: ピレリ
• - ホイール: O・Z
• - 寸法: 全長 5,500 mm、全幅 2,000 mm、全高 950 mm（カメラ除く）
• - トレッド: フロント 1,650 mm、リア 1,550 mm
• - 重量: 743 kg（ドライバー込）

シーズン成績

キミ・ライコネンは43点を獲得し、ドライバーズランキングで12位。アントニオ・ジョヴィナッツィは14点を獲得し、同ランキングで17位に終わりました。シーズンを通じて、アルファロメオ・C38は様々な挑戦を経ながらも、貴重な経験と教訓をもたらしたマシンとなったことは間違いありません。

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