アルブエラの戦い

アルブエラの戦い

アルブエラの戦い（Battle of Albuera）は、1811年5月16日に半島戦争の一環として行われた著名な戦闘です。この戦いは、スペインのバダホスの南約20kmに位置するアルブエラ村でイギリス、スペイン、ポルトガルの連合軍とフランス南方軍との間で発生しました。

背景

1810年、連合軍はポルトガル方面のフランス軍に対する防衛線を設けつつありましたが、フランス軍のマッセナ元帥は連合軍を封じ込め、次第に有利な状況を築いていました。しかし、1811年に入ると、フランス軍は状況を好転させるために動き出します。ナポレオンから派遣されたスールト元帥は、連合軍を撃退するためにバダホスの攻略を目指しました。そのための軍が集結し、状況は緊迫していきます。

戦闘の経過

両軍はアルブエラで接敵し、16日の朝、フランス軍が連合軍の右翼に向かって攻勢を仕掛けます。フランス軍は大規模な陽動攻撃を行い、連合軍はこの動きに釣られ、組織的な防衛が弱まります。スールトは連合軍の動揺に乗じて側面攻撃を展開し、状況を有利に進めようとしました。しかし、連合軍の指揮官ベレスフォードは、迅速に対応しなければならないという状況に直面しました。

スールト軍による攻撃が続く中、連合軍は再編成しつつ応戦しました。連合軍のスペイン軍とイギリス軍は連携を取り、フランス軍の突撃に踏ん張りました。この段階で、両軍とも多くの兵士を失いつつも戦闘は続き、互いに凌ぎを削ります。

戦闘は長時間にわたり、攻防が行われる中で連合軍は徐々に位置を回復し始めます。ホートンの旅団とともにフランスの攻撃を受け止めつつ、英国軍の火力が徐々に有効に働き始めました。フランス軍の士気と戦力が次第に低下していく中、連合軍の反撃が成功し始めました。

結末

17日の朝、両軍は再び布陣を整えますが、フランス軍はその日の内に徐々に退却を決定します。スールトは連合軍との直接対決となることを避け、負傷兵を救うために軍を引く決断を下しました。結果的には、アルブエラの戦いは両軍共に重大な損失を出したものの、戦局そのものに大きな変化をもたらすものとはならず、連合軍は攻撃を続けることができませんでした。

戦後、ウェリントンは報告の内容を見てその結果に憤りを見せますが、戦闘の結果が報告されることに関して大きな議論が生じました。アルブエラの戦いは、数多くの犠牲者を出しつつも、連合軍にとって重要な戦局の一つであり、イギリス軍とスペイン軍の共同作戦の可能性を示す一幕となりました。戦闘の教訓から、さらなる連携の必要性が再認識されたのです。

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