アルベール・エルバス

アルベール・エルバス：ファッション界の巨星

アルベール・エルバス（Alber Elbaz）は、1961年6月12日にモロッコのカサブランカで誕生し、イスラエルのテルアビブで育ちました。幼少期には父を失い、母のもとで成長。兵役を終えた後、テルアビブのシェンカー・カレッジでファッションを学び、1988年に卒業しました。

ファッション業界への道

卒業後、エルバスは800ドルを握りしめニューヨークへ渡ります。初めはブライダル会社に勤務し、その後、ジェフリー・ビーンのもとで7年間シニアアシスタントとして活躍しました。1996年にギ・ラロッシュに入社し、そこで才能を発揮。さらに有名なイヴ・サンローランからも声がかかりますが、グッチ・グループへの売却により解雇され、クリッツアで再び経験を積みました。

ランバンでの成功

2001年、エルバスはランバンのクリエイティブ・ディレクターに任命されます。彼の初コレクションは、20年代のフラッパーを彷彿とさせるデザインで、創業者ジャンヌ・ランバンへのオマージュが込められていました。この作品は多くの支持を集め、彼のエレガントで斬新なスタイルは瞬く間に世界中で高く評価されました。

彼はランバンを新たな高みに引き上げることで知られ、ブランドの復興に大きく貢献しました。しかし、2015年にランバンのディレクターを退任し、約4年間ファッション界から遠ざかることとなります。

新たな挑戦と晩年

2019年にはフィナンシエール リシュモン社と共同でベンチャー企業を設立し、2021年には自身のブランド「AZ FACTORY」の初コレクションを発表しました。シンプルでありながら特異なスタイルを持つこのブランドは、彼の新しい創造性を発揮する場となっていました。

残念ながら、彼の人生は短命でした。2021年4月24日、彼は新型コロナウイルス感染症によりパリの病院で息を引き取りました。59歳という若さでの死は、ファッション界に大きな衝撃を与えました。

アルベール・エルバスの影響

エルバスのデザインは、多くのセレブリティに愛され続けました。カトリーヌ・ドヌーブ、ジェニファー・ロペス、キャメロン・ディアス、ニコール・キッドマン、日本の藤原紀香やYOU、山田優などが、彼の作品を纏いました。彼の影響は、ファッション界にとどまらず、より広範な文化にも浸透していきます。

エルバスは、独自の視点を持ちながらもクラシカルな魅力を引き出すデザインで知られ、ファッション業界におけるその功績は決して忘れられることはないでしょう。

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