アルペンスキー複合

アルペンスキー複合について

アルペンスキー複合（英: Alpine skiing combined）は、滑降と回転を同時に競うスキー競技の一形式です。この競技は、アルペンスキーの五つ目の種目と見なされることが多く、しばしば「アルペン複合」と略されることもあります。競技は、通常二日間にわたり行われ、選手は初日には滑降を行い、二日目には回転に挑むという形式が一般的です。

競技の流れ

アルペンスキー複合では、選手はまず滑降1本を滑り、その後に回転を2本滑ります。その総合タイムによってランキングが決まります。なお、この競技は通常の滑降や回転と区別するために特別な名称が付けられ、滑降は「スペシャル・ダウンヒル」（スペシャルDH）、回転は「スペシャル・スラローム」（スペシャルSL）と呼ばれることがあるため、注意が必要です。

冬季オリンピックやアルペンスキーの世界選手権では、これらの種目と異なるコースが設定されるため、選手たちにとっては新たな挑戦となります。複合競技用のコースは、通常の滑降や回転よりもやや短く設定されます。正確なタイム記録が求められるため、選手たちは非常に緊張感のある滑りを求められます。

今ではスーパー複合という形式が普及しており、これは滑降1本と回転1本を同じ日に行う方式です。このスーパー複合は、アルペンスキー・ワールドカップで主流の形式となっており、オリンピックでも2014年のソチから正式に採用されています。

選手の特性

アルペンスキー複合競技には、高速での滑降技術と精密な回転テクニックの両方が求められます。これにより、両方の技術を兼ね備えている選手、いわゆる「オールラウンダー」が上位に進出しやすいと言われています。そのため、選手にとっては既存の滑降や回転の技術を磨くだけでなく、新たにこの複合競技に特化したトレーニングも行わなければなりません。

日本においては、アルペン・コンバインドの世界大会での入賞率は低いため、スキー競技全般で「複合」と言った場合には、ノルディック複合を指す場合が一般的です。これは、ノルディック複合の方が日本選手が上位入賞する機会が多いからです。

歴史的背景

アルペンスキー複合競技が初めて行われたのは、1936年のガルミッシュ・パルテンキルヘンオリンピックのことです。この頃は、実際に競技が行われるのではなく、同じ会場で行われる別々の滑降および回転のタイムを組み合わせて順位を決める「ペーパーレース」が一般的でした。しかし、2000年代中盤以降、この方式に代わってスーパー複合の導入が進んでいきました。2005年には、男子スーパー複合がスイス・ウェンゲンで行われ、女子がイタリア・サン・シカリオで行われています。これらのイベントを経て、現在の形式が整いました。

まとめ

アルペンスキー複合は、高速滑降と精密回転を求められるスキー競技であり、選手にとっては非常に挑戦的な種目です。今後も、多くの選手がこの競技に挑戦し、新しい歴史を築いていくことが期待されます。

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