アルメイダ包囲戦 (1762年)

アルメイダ包囲戦：七年戦争におけるスペインの侵攻

アルメイダ包囲戦は、七年戦争中の1762年8月16日から8月25日にかけて、アランダ伯爵率いるスペイン軍がポルトガル領の要衝アルメイダを包囲し、最終的に占領した戦闘です。この戦いは、スペインがポルトガル全土を占領しようと試みた大規模な侵攻作戦の一部であり、当時のヨーロッパにおける勢力図を大きく変動させる可能性を秘めていました。

包囲の背景と戦略

スペイン軍は、ポルトガル侵攻において挟撃作戦を展開しました。北部では、ガリシアからドウロ川を渡ってポルトを脅かし、南部では、シウダ・ロドリーゴから国境を越えて侵攻するという二正面作戦です。アルメイダは、この南からの侵攻における重要な拠点であり、その占領はスペイン軍にとって戦略的な勝利を意味していました。

包囲開始からわずか9日後、ポルトガル守備軍は降伏を余儀なくされました。しかし、スペイン軍の進撃は、イギリスからの援軍8千人が到着し、バレンシア・デ・アルカンタラの戦いでスペイン軍の補給路を遮断したことで阻止されました。イギリスの介入は、ポルトガルへの侵攻を阻止する上で重要な役割を果たしました。

戦いの後

アランダ伯爵はアルメイダに駐留し続けましたが、アルメイダはスペインが七年戦争の終結まで占領した唯一のポルトガルの要塞となりました。この事実は、アルメイダがスペインにとってどれほど重要な拠点であったかを物語っています。

七年戦争の講和条約であるパリ条約において、イギリスはハバナとフィリピンをスペインに返還する代わりに、スペインはアルメイダをポルトガルに返還し、フロリダをイギリスに割譲することになりました。この条約により、アルメイダはポルトガルに返還され、スペインのポルトガル侵攻は最終的に失敗に終わりました。しかし、この戦いは、七年戦争におけるヨーロッパの政治的、軍事的バランスに大きな影響を与えた出来事として記憶されています。

参考文献

Brown, Peter Douglas. William Pitt, Earl of Chatham: The Great Commoner. George Allen & Unwin, 1978.
Dull, Jonathan R. The French Navy and the Seven Years' War. University of Nebraska, 2005.
Jaques, Tony. Dictionary of Battles and Sieges. Greenwood Press, 2007.
Petrie, Sir Charles. King Charles III of Spain. Constable, 1971.

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