アル・ウデイド空軍基地

アル・ウデイド空軍基地

アル・ウデイド空軍基地（アラビア語: قاعدة العديد الجوية）は、カタールの首都ドーハの南西部に位置し、同国で重要な軍事拠点とされています。一般的にはアブ・ナクラ空港とも呼ばれ、近隣にはもう一つの軍事基地が存在します。

概要

アル・ウデイド空軍基地は、2本の滑走路を有し、多国籍軍の活動が行われる場所となっています。特にアメリカ軍は、この基地に戦闘機、空中給油機、爆撃機を駐留させており、地域の防空システムとして地対空ミサイル「パトリオット」を配備しています。この基地は中東地域で最大規模の米軍基地であり、駐留する兵士は1万人以上に上ります。そのため、イラク戦争などの重大な軍事作戦の前進基地としても利用されてきました。基地にはカタール空軍やアメリカ空軍、イギリス空軍のほか、他国からの軍隊も駐留しており、アメリカ中央軍およびイギリス空軍の各司令部もここを拠点にしています。

歴史

アル・ウデイド空軍基地は1996年に建設され、2001年にアメリカ軍の使用が始まりました。同年に発生したアメリカ同時多発テロ事件を契機に、米軍はアフガニスタンに軍を展開し、その後の戦争においてもこの基地を利用しました。特に2003年から始まったイラク戦争においては、米中央軍の前方基地として活躍し、サウジアラビアから基地が移転される背景には、そこの反米感情の高まりがありました。この基地は、過激派組織「イスラム国」（IS）に対する掃討作戦でも重要な役割を果たし、多数の作戦が展開されました。さらに、2025年6月には、イランがアメリカの核施設攻撃に対する報復として同基地に向けて14発のミサイルを発射しましたが、幸いなことに死傷者は出ませんでした。

このように、アル・ウデイド空軍基地は単なる軍事施設にとどまらず、地政学的にも非常に重要な役割を果たす施設であり、今後も多国籍軍の活動の中心として機能し続けると考えられます。

もう一度検索