アレクサンドル・シャブリー

（ロシア語: Александр Шаблий、英語: Alexandr Shabliy、1993年 4月18日 - ）は、ロシア連邦を代表する男性総合格闘家。

概要

ロシアのロストフ州ロストフ・ナ・ドヌ出身。ペレスヴェートFTおよびアメリカン・トップチームに所属する彼は、Bellatorのライト級戦線においてその名を馳せてきた。様々な武道をバックグラウンドに持ち、特にBellator参戦後は強豪選手を次々と破り、タイトル挑戦経験も持つトップコンテンダーとしての地位を確立している。

来歴

1993年 4月18日にロシアで生まれたアレクサンドル・シャブリーは、ロシア人の父とダルギン人の母の間に生まれた。幼少期より武道に親しみ、まずは松濤館流空手で基礎を築いた。その後、打撃技術を磨くためにボクシングやムエタイへと転向し、さらに近接格闘術も学ぶなど、多角的なトレーニングを積んだ。これらの経験を経て、2010年にプロ総合格闘家としてのキャリアをスタートさせた。

Bellatorでの活躍

プロとして経験を重ねたシャブリーは、大手総合格闘技プロモーションであるBellatorと契約。2021年5月21日に行われたBellator 259大会で、アルフィー・デイヴィスを相手にBellatorデビュー戦を行い、判定3-0で勝利を収め、その存在感を示した。

その後もBellatorのライト級で順調にキャリアを積み上げ、世界のトップを目指した。2022年6月24日のBellator 282では、当時ライト級ランキング2位に位置づけられていた元Bellator世界ライト級王者のブレント・プリムスと対戦。この難敵に対し、シャブリーは卓越した打撃スキルを発揮。右ストレートでプリムスからダウンを奪い、追撃のパウンドで2ラウンドKO勝利という鮮烈なインパクトを残した。この勝利は、シャブリーがライト級のトップ戦線に食い込む重要な一歩となった。

2023年に入ると、注目が集まるBellatorライト級ワールドグランプリへの出場が決定。同年3月10日のBellator 292で開催されたグランプリ1回戦では、同じくランキング2位の強豪、トフィック・ムサエフと対峙した。試合は3ラウンドにシャブリーが放ったボディへの右前蹴りが、ムサエフの股間に近い位置にヒットし、ムサエフが試合続行不能となるアクシデントが発生した。レフェリーおよび大会役員による慎重な審議の結果、この攻撃がボディへの適正な前蹴りによるものと判断され、シャブリーのTKO勝利となった。議論を呼んだ裁定ではあったが、これにより彼はグランプリの準決勝進出を決めた。

準決勝は2023年11月17日、Bellator 301大会で行われ、シャブリーは当時ライト級ランキング1位であり、これもまた元Bellator世界ライト級王者であるパトリッキー・ピットブルと対戦した。 Bellatorライト級の頂点を争うライバルとの一戦で、シャブリーはスタンドの攻防で終始優位に立ち続け、5ラウンドに及ぶ激闘の末、3-0の判定勝ちを収めた。この完璧な勝利により、Bellatorライト級ワールドグランプリの決勝へと駒を進める快挙を達成した。

グランプリ優勝、そして王座獲得を目前にしたシャブリーは、2024年9月7日に開催されたBellator Champions Series 4のメインイベントで、Bellator世界ライト級王者ウスマン・ヌルマゴメドフへのタイトル挑戦に臨んだ。Bellatorライト級の絶対王者との対戦は、シャブリーにとって最大の試練となった。しかし、王者の牙城は固く、シャブリーは5ラウンドを戦い抜いたものの、0-3の判定で敗北を喫し、惜しくも王座獲得はならなかった。

多才な打撃技術と強靭なフィジカルを武器に、Bellatorのライト級トップ戦線で常にタイトルを争う位置にいるアレクサンドル・シャブリー。タイトル挑戦での経験を糧に、今後の更なる活躍が期待される選手である。

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