アレクセイ・クラスノジョン

アレクセイ・ドミトリエヴィチ・クラスノジョン。2000年4月11日、ロシア・サンクトペテルブルク生まれのフィギュアスケート選手である。医師である両親のもと、スケートを始めた彼は、幼少期から類まれな才能を発揮した。アレクセイ・ミーシンとタチアナ・ミーシナ夫妻による指導の下、ロシア代表として国際舞台を経験する。

2014年から2015年にかけて、彼はアメリカ合衆国へと拠点を移すという大きな決断をする。練習環境はロシアからテキサス州ダラスへと変わり、コーチもペーター・ケインとダーレーン・ケイン夫妻へと変更。この環境変化は、彼のスケート人生に新たな転機をもたらすことになる。全米選手権ジュニアクラスではピューターメダルを獲得し、アメリカでの活躍を印象づけた。

2015-2016シーズンはジュニアグランプリシリーズに参戦。リガ杯で銅メダルを獲得するなど、着実に結果を残していく。続く全米選手権ジュニアクラスでも、前シーズンよりも順位を上げ、銅メダルを獲得。着実に実力をつけていた彼の成長は目覚ましいものがあった。

2016-2017シーズン、クラスノジョンはジュニアグランプリシリーズで更なる飛躍を遂げる。チェコスケートで銀メダル、リュブリャナ杯では優勝と輝かしい成績を残し、念願のジュニアグランプリファイナルへの出場権を獲得。ファイナルでは5位と健闘を見せた。そして、全米選手権ジュニアクラスでは、ついに念願の優勝を果たす。勢いに乗る彼は世界ジュニア選手権にも初出場し8位という結果を残した。

2017-2018シーズン、彼はシニアクラスの大会に初挑戦する。フィラデルフィアサマーインターナショナルで4位に入賞。ジュニアグランプリシリーズでは連勝を果たし、タリントロフィーでは銀メダルを獲得。シニアの国際大会で初表彰台に立つ快挙を達成した。ジュニアグランプリファイナルでは、ショートプログラムとフリープログラムで1位を獲得し、見事優勝を果たす。全米選手権シニアクラスにも初出場を果たし、10位という結果を残した。しかし、世界ジュニア選手権では、ショートプログラムで1位と好スタートを切ったものの、フリープログラム冒頭の4回転サルコウで転倒、足首を捻挫し、惜しくも棄権を余儀なくされた。シーズン終了後には、コーチをアレクセイ・レトフとオルガ・ガニシェワに変更し、さらなる高みを目指した。

2018-2019シーズン、グランプリシリーズに参戦したクラスノジョンは、グランプリオブフィギュアスケートヘルシンキで7位、ロステレコム杯で8位と健闘する。全米選手権では5位に入賞。世界ジュニア選手権では、ショートプログラムで5位とまずまずのスタートを切ったものの、フリープログラムでミスが相次ぎ、総合11位という結果に終わった。

2019-2020シーズン、フィラデルフィアサマーインターナショナルでは銅メダルを獲得。そして、CSUSクラシックでは、フリープログラムで4回転ループを成功させ、この技を成功させた史上5人目の選手となった。この成功は、彼の技術力の高さを示す大きな出来事であった。

2021年5月12日、クラスノジョンは自身のInstagramで競技からの引退を発表した。長年にわたるフィギュアスケート選手としてのキャリアに幕を閉じた彼は、今後は学業に専念し、移民弁護士になることを目指しているという。

彼の輝かしい経歴は、並々ならぬ努力と才能の賜物であることは間違いない。ロシアとアメリカという異なる環境で、数々の困難を乗り越え、常に挑戦を続けた彼のフィギュアスケート人生は、多くのスケーターにとって大きな刺激となるだろう。 今後の彼の活躍にも期待したい。

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