アレサ・イン・パリス

アレサ・イン・パリス (Aretha in Paris)

アレサ・フランクリンが1968年に発表したアルバム『アレサ・イン・パリス』は、彼女にとって初のライブ録音となります。この作品は、アメリカの音楽界における彼女の重要なマイルストーンであり、キャリアを通じての彼女の力強いパフォーマンスを余すことなく捉えています。

アルバムの背景

フランクリンは1968年に初めてヨーロッパツアーを行い、特にパリでの公演は注目を集めました。オランピアで実施されたこのライブでは、2回のショーにおいて1万5千人以上の観客を動員したとされています。アルバムには、そのツアーの中の5月7日の公演が収録されています。収録曲は、彼女のアトランティック・レコード時代の作品から厳選され、名曲が並んでいます。

バックバンドの選定

このツアーのバックバンドには、フランクリンのマネージャーであったテッド・ホワイトの提案により、デトロイト出身のミュージシャンたちが起用されました。しかし、プロデューサーのジェリー・ウェクスラーはホワイトの選んだバンドには満足できず、最終的にはキング・カーティスが率いるザ・キングピンズがフランクリンのサポートを務めることとなりました。この変更は、ライブパフォーマンスの質を高める結果となったと言われています。

商業的成功

『アレサ・イン・パリス』は商業的にも成功を収め、アメリカの『ビルボード』では1968年のR&Bアルバムチャートで2位に達しました。また、翌1969年には総合アルバムチャートのBillboard 200でも13位を記録するなど、フランクリンの名声をさらに高める要因となりました。

収録曲

アルバムには以下のような魅力あふれる楽曲が収められています。

Side 1

• - サティスファクション - (I Can't Get No) Satisfaction
• - 夢をさまさないで - Don't Let Me Lose This Dream
• - ソウル・セレナーデ - Soul Serenade
• - ナイト・ライフ - Night Life
• - ベイビー・アイ・ラヴ・ユー - Baby, I Love You
• - グルーヴィン - Groovin'
• - ナチュラル・ウーマン - (You Make Me Feel Like) A Natural Woman

Side 2

• - カム・バック・ベイビー - Come Back Baby
• - ドクター・フィールグッド - Dr. Feelgood (Love Is a Serious Business)
• - 愛する貴方を失くして - (Sweet Sweet Baby) Since You've Been Gone
• - 貴方だけを愛して - I Never Loved a Man (The Way I Love You)
• - チェイン・オブ・フールズ - Chain of Fools
• - リスペクト - Respect

参加ミュージシャン

アレサ・フランクリン自身による圧倒的なボーカルの他にも、数名の才能あるミュージシャンが参加しています。彼女のバックバンドには、ピアノのゲイリー・イリングワースやギターのジェリー・ウィーヴァー、トランペットのドナルド・タウンズなどが名を連ねており、相互に引き出し合う演奏が印象的です。さらに、フランクリンの姉であるキャロリン・フランクリンをはじめとするバックボーカルも、豊かな音楽体験を提供しています。

このアルバムは、アレサ・フランクリンの魅力を余すことなく引き出した作品であり、彼女の歌手としての名声を不動のものにしました。今なお多くのファンに愛されるこのライブアルバムは、聴く人々に感動と力を与え続けています。

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