アレックス・スコルニック

アレックス・スコルニック：スラッシュメタルからジャズへ、変幻自在のギタリスト

アレックス・スコルニック（Alex Skolnick）は、1968年9月29日生まれのアメリカ人ギタリストです。彼は、スラッシュメタルバンド、テスタメント（Testament）のリードギタリストとして知られていますが、ジャズ・フュージョンバンド、アレックス・スコルニック・トリオ（Alex Skolnick Trio）でも活動するなど、幅広い音楽性を持っています。

生い立ちと音楽との出会い

スコルニックは9歳の頃、KISSに影響を受けてギターに興味を持ちました。ジョー・サトリアーニ（Joe Satriani）からギターのレッスンを受け、その後、レガシー（Legacy）というバンドに加入。同名バンドの存在から、バンド名をテスタメントと改名し、1987年にアルバム『レガシー』でデビューしました。

1988年、テスタメントのセカンドアルバム『ニュー・オーダー』の制作中に、マイルス・デイヴィス（Miles Davis）のエレクトリック・バンドの演奏をテレビで見て衝撃を受け、ジャズを学ぶきっかけになったと言います。彼のテクニックは高く評価され、1992年にはオムニバスアルバム『The Guitars That Rule the World』に、自作のインストゥルメンタル曲「Filet of Soul」を提供しました。

テスタメント脱退、そして多様な音楽活動へ

1992年にテスタメントを脱退後、スコルニックは1994年にサヴァタージ（Savatage）に加入し、アルバム『ハンドフル・オブ・レイン』とそのツアーに参加しました。その後、オジー・オズボーン（Ozzy Osbourne）のバンドへの加入話もありましたが、1995年6月にノッティンガムで行われたシークレットギグに参加したのみで、正式なメンバーにはなりませんでした。

1998年には、ティム・アレキサンダー（Tim Alexander、元プライマス）やマイケル・マンリング（Michael Manring）と共に、Attention Deficitというユニットを結成し、アルバムを発表。2001年には活動を再開し、セカンドアルバムもリリースしています。

ジャズへの傾倒とアレックス・スコルニック・トリオ結成

その後、スコルニックはニュースクール大学でジャズを学び、2001年にはアレックス・スコルニック・トリオを結成。ヘヴィメタルの曲をジャズアレンジでカバーしたデビューアルバムは、ジャズ専門誌で高評価を得ました。

テスタメントへの復帰と現在

スコルニックは2001年にテスタメントに復帰し、2005年には正式メンバーとして再加入。2004年には、トランス・シベリアン・オーケストラ（Trans-Siberian Orchestra）のアルバムで、サヴァタージのメンバーと共演し、ツアーにも参加しました。2009年には、ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ（Rodrigo y Gabriela）のアルバムにゲスト参加するなど、幅広い活動を続けています。

アレックス・スコルニックは、スラッシュメタルとジャズという異なるジャンルを融合させ、独自の音楽性を確立したギタリストです。彼の才能は、テスタメントのファンだけでなく、多くの音楽ファンを魅了し続けています。

ディスコグラフィ（一部）

テスタメント
レガシー (1987)
ニュー・オーダー (1988)
ザ・フォーメーション・オブ・ダムネイション (2008)
サヴァタージ
ハンドフル・オブ・レイン (1994)
アレックス・スコルニック・トリオ
グッバイ・トゥ・ロマンス (2002)
Transformation (2004)
トランス・シベリアン・オーケストラ
* The Lost Christmas Eve (2004)

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