アレックス・ポンペス

アレックス・ポンペス：ニグロリーグからMLBへの架け橋となったスカウト

アレックス・ポンペス（Alejandro "Alex" Pompez, 1890年5月3日 - 1974年3月14日）は、ニグロリーグの球団経営者として活躍し、その後、国際スカウトとして数々の才能をメジャーリーグ（MLB）に送り込んだ人物です。キューバのハバナで生まれ、その生涯を野球界に捧げました。

ニグロリーグでの活躍

ポンペスは、1916年頃からキューバン・スターズを所有し、チームの運営に携わっていました。1920年代には、キューバン・スターズはニグロ・ナショナル・リーグに加盟し、ポンペス自身もリーグの副議長を務めるなど、リーグ運営にも深く関与しました。また、イースタン・カラード・リーグの創設時には、1924年に初めて開催されたニグロ・ワールドシリーズの実現に尽力しました。

1930年代には、キューバン・スターズは一時解散しましたが、ポンペスは1935年にニューヨーク・キューバンズを新たに組織し、このチームはマーティン・ディーゴの活躍などにより、後期シリーズを制覇しました。

賭博関与とメキシコへの逃亡

1936年、ポンペスは、他のニグロリーグのオーナーと同様に、ニューヨークのギャング、ダッチ・シュルツの組織に関与していたことが発覚し、地方検事トーマス・E・デューイの捜査対象となりました。連邦大陪審からナンバーズ賭博への関与を告発されたポンペスは、逮捕を恐れてニューヨークからメキシコへ逃亡しました。しかし、最終的にはメキシコ当局に逮捕され、アメリカへの身柄の引き渡しを拒否されました。その後、ポンペスは事件に関して検察側の証人となることを決意し、アメリカに戻りました。

ニグロリーグへの復帰とMLBへの貢献

1938年、ポンペスはニグロ・ナショナル・リーグの運営に復帰し、所有していたキューバンズは1941年にリーグを制覇、1947年にはニグロ・ワールドシリーズを制しました。翌年、キューバン・ジャイアンツはMLBのニューヨーク・ジャイアンツの傘下に入り、ポンペスはニューヨーク・ジャイアンツの国際スカウトとして、フアン・マリシャルやオーランド・セペタなどのラテンアメリカ系選手のMLB入りを促進しました。

野球殿堂入りと遺産

1971年からはアメリカ野球殿堂のニグロリーグ特別委員会の委員を務め、ニグロリーグ選手の野球殿堂入り選考に貢献しました。1974年にニューヨークで死去。2006年には、ニグロリーグ特別委員会によりアメリカ野球殿堂入りを果たし、その功績が永く称えられています。

アレックス・ポンペスの生涯は、ニグロリーグの発展と、ラテンアメリカの才能がMLBで開花する道を開いた、重要な役割を果たしたことを物語っています。

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