アレハンドロ・アラベナ

アレハンドロ・ガストン・アラベナ・モリは、1967年6月22日にチリのサンティアゴで生まれた建築家です。2016年には、建築界で最も権威のある賞の一つであるプリツカー賞を受賞し、その才能と業績が国際的に認められました。また、同年のヴェネツィア・ビエンナーレ建築展ではキュレーターを務め、建築界に大きな影響を与えました。

教育とキャリア

アラベナは、1992年にチリ・カトリック大学を卒業後、1994年に自身の建築事務所「アレハンドロ・アラベナ・アーキテクツ」を設立しました。彼の教育者としてのキャリアも長く、2000年から2005年までハーバード大学大学院デザインスクールで客員教授を務めました。現在では、チリ・カトリック大学のElemental-Copec教授として教鞭を執っています。

アラベナは、建築に関する著述活動も積極的に行っています。『Los Hechos de la Arquitectura』（1999年）、『El Lugar de la Arquitectura』（2002年）などの著書のほか、自身の建築理念をまとめたモノグラフ『Elemental: Incremental Housing and Participatory Design Manual』（2010年）も発表しています。また、2009年から2015年までプリツカー賞の審査員を務め、現在は王立英国建築家協会の国際フェローでもあります。

社会的な問題に対する強い関心を持つアラベナは、2006年に営利企業「ELEMENTAL S.A.」の執行役員に就任しました。この企業は、社会的な課題解決に焦点を当てたプロジェクトを数多く手掛けています。2015年7月には、ヴェネツィア・ビエンナーレ建築部門のディレクターに指名され、2016年の第15回国際建築展のキュレーションを担当しました。

主な作品

アラベナの代表的な作品としては、母校であるチリ・カトリック大学の学部棟「シャムの塔」が挙げられます。この建物は、既存の建物に増築する形で建設され、独特な外観が特徴的です。その他にも、「コレヒオ・ウェルクェン・モンテッソーリ」、「彫刻家の家」、「ピリウェイコ湖に面する家」など、様々な種類の建築物を設計しています。

海外では、テキサス州オースティンの聖エドワード大学にある学生寮「Hunt, Le Mans and Johnson residential halls」や、スイス企業「ヴィトラ」のヴァイル・アム・ラインにあるアート・ワークショップなどを手掛けています。また、サンティアゴの都市公園の設計や、自身が率いる企業「ELEMENTAL」が主導する社会的なプロジェクトも展開しています。彼の作品は、デザイン性と機能性を兼ね備え、社会的な課題解決にも貢献しています。

アラベナは、建築家としてだけでなく、教育者、著述家、社会活動家としても幅広く活躍しており、その多才さと社会への貢献は、建築界だけでなく、社会全体に大きな影響を与えています。

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