アレンビー橋

アレンビー橋：歴史と国境の架け橋

アレンビー橋は、ヨルダン川に架かる橋であり、キング・フセイン橋、アル・カラマー橋とも呼ばれます。この橋は、イスラエルとヨルダンを結ぶ重要な役割を果たしており、特にヨルダン川西岸地区に住むパレスチナ人の往来に利用されています。

歴史

1918年、イギリス陸軍のエドムンド・アレンビー将軍によって最初のアレンビー橋が建設されました。当時、この地域はオスマン帝国の領土でしたが、第一次世界大戦中にアラブ反乱が勃発し、イギリス軍を率いたアレンビー将軍がエルサレムを陥落させたのです。

1946年、ユダヤ人組織ハガナーによって橋は爆破されました。これは、シオニズム運動の高まりとイスラエル建国を背景とした出来事でした。

その後、橋は再建されたものの、第三次中東戦争で再び破壊され、1968年に仮設橋が架けられました。この仮設橋は簡素な構造で、洪水時には通行不能になるなど、脆弱なものでした。

1994年のイスラエル・ヨルダン平和条約締結後、交通量の増加に対応するため、日本のODAによって新たな橋が建設されました。2001年に竣工したこの橋は、4車線のPC斜版橋で、長さは120mです。ヨルダン側の道路約7.7kmも合わせて整備されました。この援助は、返済義務のない無償資金協力として行われました。

国境としての位置づけ

橋の西側（ヨルダン川西岸地区側）約1kmの地点にイスラエルの出入国審査場が、東側（ヨルダン側）約4kmの地点にヨルダンの出入国審査場があります。この間は徒歩での往来はできず、指定されたタクシーや専用バスでの移動が必要です。

イスラエルに居住するパレスチナ人が海外に出るためには、アレンビー橋を経由してヨルダンに入国し、クィーンアリア国際空港などを利用する必要があります。これは、イスラエル当局がパレスチナ人によるベン・グリオン国際空港の利用を制限しているためです。

イスラエル人はアレンビー橋を通過することが禁止されており、通過できるのは外国人観光客（イスラエル人を除く）とパレスチナ人だけです。パレスチナ人は身分証明書を持っていれば、比較的簡単な審査で通過できます。イスラエル人が陸路でヨルダンに行くには、アラバ国境またはヨルダン川国境（シェイク・フセイン橋）を利用する必要があります。

トピック

ゴルゴ13の「スワップ 捕虜交換」では、この橋での捕虜交換が生々しく描写されています。

参照

* Israel Airports Authority

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