アングロ・アメリカン

アングロ・アメリカン社：世界を舞台に活躍する鉱業の巨人

アングロ・アメリカン社（Anglo American PLC）は、世界有数の鉱業会社として知られています。その歴史は、1917年に南アフリカでアーネスト・オッペンハイマーが設立したAnglo American Corporation of South Africaにまで遡ります。イギリス、アメリカ、南アフリカからの資本を基盤に、当初は南アフリカの金鉱山開発から事業を開始しました。

初期の成功と事業拡大

創業から間もなく、同社は南アフリカの複数の金鉱山の開発に成功し、急速に成長を遂げました。1926年には、世界最大のダイヤモンド供給会社であるデビアス社の株式の過半数を取得し、資本関係を構築。この買収によって、ダイヤモンド事業への参入を果たしました。1928年には、ザンビアのカッパーベルトで銅の採掘を開始し、Rhodesian Anglo Americanを設立。その後も、カナダの鉱山会社を買収するなど、事業領域を拡大し続けました。

事業再編とグローバル化

1971年には、長年取り組んできたザンビアでの銅採掘事業を終了し、Rhodesian Anglo AmericanをMinerals & Resources Corporation（ミノルコ）に改名、バミューダ諸島に移転させました。その後、ルクセンブルクに本社を移転するなど、事業拠点の変更や再編を繰り返し、1999年にはミノルコと合併、ロンドン証券取引所に上場し、現在の社名であるAnglo American PLCとなりました。本社をロンドンに移転したことで、アングロ・アメリカン社はグローバル企業としての地位を確固たるものにしました。

多様な鉱物資源と事業ポートフォリオ

アングロ・アメリカン社は、金、ダイヤモンドの他に、白金、クロム、銅、ニッケル、マンガンなど、幅広い鉱物資源を扱っています。特にレアメタルの取扱高は世界屈指の規模を誇り、かつては子会社のアングロ・ゴールドが金の産出量で世界一を記録していました。

近年の動向

近年では、2024年に同業のBHPグループから巨額の買収提案を受けましたが、買収提案期限をめぐる交渉の行き違いから破談となりました。この出来事からも、アングロ・アメリカン社の規模と影響力が伺えます。

持続可能性への取り組み

アングロ・アメリカン社は、近年、環境問題や社会問題への対応にも力を入れています。持続可能な経営への取り組みを強化することで、企業価値を高めるとともに、社会への貢献を目指しています。

まとめ

アングロ・アメリカン社は、100年以上にわたる歴史の中で、世界的な鉱業会社として成長を遂げてきました。多様な鉱物資源を扱うグローバル企業として、今後も世界経済に大きな影響を与え続けるでしょう。その動向は、世界の資源市場の動向を占う上で重要な指標となっています。 今後の事業展開にも注目が集まります。

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