アンサール・アッ＝ディーン

アンサール・アッ＝ディーンの概要

アンサール・アッ＝ディーン（アラビア語: أنصار الدين、翻字: Anṣār ad-Dīn）は、マリ共和国に拠点を置くサラフィー・ジハード主義組織です。この団体の名称は「宗教の助力者」という意味を持ちます。日本のメディアでは英語表記に基づき「アンサール・ディーン」として知られています。

組織の設立と目的

アンサール・アッ＝ディーンは2012年に設立され、主にマリ北部の地域を占拠しています。彼らの主な目的は、イスラム法に基づいた新たな国家を樹立することです。組織の指導者にはイヤド・アグ・ガリーがいます。この組織は、当初から地元のトゥアレグ人の反政府運動に呼応して、独立志向を持って活動を開始しました。

活動の展開

トゥアレグ抵抗運動

2012年1月、アザワド地域のトゥアレグ人が結成した反政府武装組織「アザワド解放民族運動」（MNLA）の活動に影響を受け、アンサール・アッ＝ディーンはトゥアレグ独立運動に参画しました。これにより、アグエルホクやキダルなどで抗争を展開し、独立を求めて盛んに活動しました。

マリ軍事クーデター

戦況が激化する中で、マリ政府内では武器不足や紛争の長期化についての不満が募り、2012年3月には軍事クーデターが発生しました。このクーデターによって、政府の統治はさらに不安定となり、アンサール・アッ＝ディーンはより一層の勢力を拡大する機会を得ました。

アザワド独立宣言

4月6日、アンサール・アッ＝ディーンとMNLAは共に北部三州（アザワド）を制圧し、一方的に独立を宣言しました。この独立後、彼らはイスラム教に基づいて文化やピアノ音楽の禁止、女性へのベール着用の強制などの政策を推進しました。

アザワド・イスラム紛争

2012年6月、アンサール・アッ＝ディーンは他のイスラム武装勢力と共にガオを攻撃し、MNLAを駆逐しました。さらに、ウネスコが世界遺産登録を行ったトンブクトゥの墓を崩壊させるなど、文化遺産に対しても厳しい攻撃を仕掛けました。他にも、イスラム教徒の習慣に反するものとして多くの墓が壊されたことが報じられています。広報担当者は、残りの墓すべてを破壊する意向を示しました。

フランスの軍事介入

2013年1月以降、フランスの軍隊がマリ国内のイスラム勢力に介入し、セルヴァル作戦を開始しました。この介入によってアンサール・アッ＝ディーンとの衝突が再燃しました。数回の激しい戦闘の中で、主要指導者の一人が犠牲になるなど、状況はさらに混乱を極めました。

主要メンバー

• - イヤド・アグ・ガリー: 組織の指導者
• - オマル・ハマハ: 重要な指導者
• - アブデル・コジャク・クリム: 戦闘指導者
• - モフタール・ベル=モフタール: 組織内での重要な役割を果たす人物

以上が、アンサール・アッ＝ディーンの活動の概要とそれに関連する重要な出来事です。組織は現在もマリの情勢に大きな影響を与えており、今後の展開が注目されます。

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