アザワド

アザワドの概要

アザワド（トゥアレグ語: ⴰⵣⴰⵓⴷ, アラビア語: أزواد, Azawad）は、マリ共和国の北部に位置する地域であり、民族運動の一環として2012年に独立を宣言しました。その名の由来は古代のベルベル語に起源があり、乾燥した河川地域を指しています。アザワドの地理はサハラ砂漠にまたがり、周囲をマリやブルキナファソ、モーリタニア、アルジェリア、ニジェールが囲んでいます。

歴史的背景

アザワド地域の歴史は古く、かつてはまでガオ帝国、マリ帝国、ソンガイ帝国が栄光の時代を迎えました。特にマリ帝国の時代には地域が繁栄し、トンブクトゥが商業と学問の中心地として機能していました。しかし15世紀から16世紀にかけて、モロッコの侵攻によりソンガイ帝国が衰退し、この地域の貿易や文化的な地位は失われていきました。その後はフランスの植民地時代を経て1960年にマリ共和国が独立。しかし、トゥアレグ族を中心とした抵抗運動が繰り広げられました。

アザワドの独立宣言

アザワドの独立は、2012年に反政府組織であるアザワド解放民族運動（MNLA）が起こした争乱から始まりました。彼らはマリ政府に対する反乱を起こし、1月には「独立のための闘争」を宣言しました。そして、2012年4月6日に彼らは一方的に独立を宣言し、憲法案を作成すると申し出ました。しかし、その独立宣言は国際的には承認を得ていません。アフリカ連合やアメリカを含む多くの国々はこの行動を拒否し、マリ共和国の一部であることを訴え続けています。

地元における情勢と軍事的な衝突

MVLAの壮大な計画は、一時的には成功を収めたものの、アンサル・ディーンなどの過激派組織との連携が崩れたら攻撃を受けることに繋がりました。特に2012年6月には、米国の支援を受けたアンサル・ディーンとMNLAの間で激しい戦闘が繰り広げられ、アザワド地域はその後崩壊を余儀なくされました。

地理的特性

アザワドの地域は主に砂漠気候またはステップ気候に寄与しており、砂や岩が広がる厳しい地形が特徴です。MNLAは、アザワドに含まれる領域にはガオ、トンブクトゥ、キダルの各市町が含まれていると主張しています。これらの地域は過去、さまざまな民族が共存してきましたが、その主な住民はトゥアレグ族、ソンガイ族、フラニ族、ムーア人です。

政治的発展

アザワドの独立宣言のもと、最初の政治制度が構築されようとしました。 MNLAは、執行委員会、革命評議会、諮問機関、そして解放軍幕僚会議などから成る体制を設けましたが、十分な統治機構が整うことはなく、周辺の他の武装勢力との緊張が続いています。

2030にもアザワド地域は安定を見出せず、安易な解決策は見つかっていません。アザワドは現状のままであれば、引き続き国際社会の関心を引く課題となり続ける見込みです。

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