アンジェリク・ウィジャヤ

アンジェリク・ウィジャヤ：インドネシアのテニス界を彩った星

アンジェリク・ウィジャヤ（Angelique Widjaja）は、1984年12月12日、インドネシアのバンドゥンで生まれました。彼女は、女子プロテニス選手として、WTAツアーでシングルス2勝、ダブルス2勝を挙げ、その実力と美貌で多くのファンを魅了しました。自己最高ランキングはシングルス55位、ダブルス15位を記録。右利きで、両手打ちのバックハンド・ストロークを特徴としていました。また、中国系のルーツを持ち、黄依林という漢字名も持っています。

ヤユク・バスキの後継者として

ウィジャヤは、1990年代に世界ランキング19位、1997年ウィンブルドンでベスト8という偉業を成し遂げたヤユク・バスキの後を継ぎ、インドネシアのテニス界を牽引する新星として登場しました。ジュニア時代からその才能は際立っており、数々のトーナメントで優勝。グランドスラムのジュニア部門では、2001年ウィンブルドンと2002年全仏オープンのシングルス、2002年全豪オープンのダブルスで優勝を果たしました。

2001年ウィンブルドンジュニア優勝

2001年ウィンブルドン選手権のジュニア女子シングルス決勝では、ディナラ・サフィナ（ロシア）を6-4, 0-6, 7-5で破り、インドネシアのテニス選手として初のウィンブルドン・タイトルを獲得。この勝利は、彼女のキャリアにおける大きな転機となりました。

WTAツアーデビューと初優勝

2001年9月末、ウィジャヤはインドネシア・バリ大会でWTAツアーデビューを飾り、その大会でいきなりツアー初優勝という快挙を達成しました。この優勝は、彼女がプロの世界でも十分に通用することを示すものでした。

WTAツアーでの活躍

2002年5月、ウィジャヤはクロアチア・ボル大会でタチアナ・ガルビン（イタリア）とペアを組み、女子ツアーのダブルスで初優勝。ボル大会のダブルス優勝後、2002年全仏オープンでグランドスラム本戦にデビューし、この年は全仏、ウィンブルドン、全米オープンの全てで2回戦に進出しました。

クルニコワに圧勝し世界から注目される

2002年全米オープンの1回戦では、ロシアの人気選手アンナ・クルニコワを6-3, 6-0というスコアで圧倒し、世界中の注目を集めました。当時クルニコワは不調で、この試合での大敗は観客からのブーイングを浴びる結果となりました。しかし、ウィジャヤ自身は続く2回戦で敗退しています。

シングルス2勝目

同年11月には、タイ・パタヤ市で開催された大会の決勝で趙倫貞（韓国）を6-2, 6-4で破り、ツアー大会でシングルス2勝目を挙げました。

ダブルスでの躍進

2003年、ウィジャヤはベネズエラのマリア・ベント＝カブチとダブルスを組み、数々の好成績を収めました。ウィンブルドンと全米オープンの2大会連続で女子ダブルス・ベスト8に進出。さらに、故郷インドネシアのバリ大会でダブルス優勝、WTAツアーのティアIトーナメントであるカナダ・マスターズでダブルス準優勝などを記録しました。

アテネオリンピック出場

2004年には、アテネオリンピックにインドネシア代表として出場。シングルスでは2回戦に進出しましたが、ダブルスは1回戦で敗退しました。

引退

2004年末に左膝の手術を受けた影響もあり、2005年以降はかつての好調を取り戻すことができず、2008年に現役を引退しました。しかし、女子テニス国別対抗戦・フェドカップのインドネシア代表選手としては、通算29勝6敗（シングルス13勝6敗、ダブルス16戦全勝）という素晴らしい成績を残しています。

アンジェリク・ウィジャヤは、その才能と努力でインドネシアのテニス界に大きな足跡を残しました。彼女の活躍は、後進の選手たちに大きな勇気と希望を与え続けています。

もう一度検索