アンソニー・パーカー

アンソニー・マイケル・パーカー：NBAとユーロリーグを彩った名選手

アンソニー・マイケル・パーカー（Anthony Michael Parker、1975年6月19日 - ）は、アメリカ合衆国イリノイ州ネイパービル出身の元プロバスケットボール選手です。現在はオーランド・マジック傘下のレイクランド・マジックでゼネラルマネージャー（GM）を務めています。彼は、NBAとユーロリーグの両方で輝かしいキャリアを築き、特にユーロリーグではMVPを獲得するなど、ヨーロッパバスケットボール界を代表する選手の一人として知られています。

また、彼の妹であるキャンデース・パーカーはWNBAのスター選手であり、その夫（アンソニーの義弟）であるシェルデン・ウィリアムスも元NBA選手で、現在はブルックリン・ネッツのスカウトを務めるなど、バスケットボール一家としても知られています。

NBAでの苦難と挫折

ブラッドリー大学で優れた成績を収めたパーカーは、1997年のNBAドラフトでニュージャージー・ネッツから1巡目21位で指名を受けました。しかし、直後にフィラデルフィア・セブンティシクサーズへトレードされます。ルーキーイヤーの1997-98シーズンは怪我に苦しみ、37試合に出場したものの、平均出場時間はわずか5.3分に留まりました。翌シーズンは開幕から2試合目で左足を骨折し、残りの試合を全て欠場するという不運に見舞われます。オフにはオーランド・マジックへ移籍し、再起を図りますが、出場機会は限られ、2000年1月には解雇され、CBAのクワッドシティ・サンダーでシーズンを終えました。

ユーロリーグでの成功

NBAでのプレーに行き詰まりを感じたパーカーは、新たな挑戦の場を海外に求め、イスラエルの名門チーム、マッカビ・テルアビブと契約を結びました。イスラエルは当時、情勢が不安定で爆撃の脅威にさらされることもありましたが、パーカーはすぐにチームの中心選手としての地位を確立しました。彼の加入により、マッカビは2000-2001シーズンのSupro Leagueカップ（このシーズンのみFIBAヨーロッパが主催したヨーロッパチャンピオン決定戦）で優勝を果たしました。2002-03シーズンにはイタリアのヴィルトゥス・ローマでプレーしましたが、翌2003-04シーズンにはマッカビに復帰し、ユーロリーグ初優勝に大きく貢献しました。このシーズン、パーカーは1試合平均16得点、5.8リバウンドの成績を残し、ユーロリーグファイナル4MVPを受賞しました。2004-05シーズンには、1試合平均18得点、5.3リバウンドを記録し、ユーロリーグMVPに輝き、チームもユーロリーグ連覇を達成しました。翌シーズンもパーカーはMVPを獲得し、マッカビは決勝に進出しましたが、惜しくも3連覇はなりませんでした。

NBAへの再挑戦と引退

ユーロリーグで輝かしい成功を収めたパーカーは、2005年10月のNBAプレシーズンでトロント・ラプターズと対戦し、決勝点を挙げてマッカビを勝利に導きました。この活躍がきっかけとなり、2006年の夏、ラプターズからオファーを受け、6シーズンぶりにNBAに復帰することになりました。当時、ラプターズは多くの海外出身選手を獲得し、リーグでも有数の国際色豊かなチームとなっていましたが、ユーロリーグでの豊富な経験を持つパーカーはすぐにチームにフィットし、出場した73試合全てで先発に起用され、1試合平均12.4得点を記録しました。スリーポイントシュート成功率は44.1%を記録し、リーグ5位にランクインし、ラプターズの5シーズンぶりのプレーオフ進出に貢献しました。ラプターズで3シーズンプレーしたパーカーは、先発シューティングガードまたはスモールフォワードとして安定したプレーを続け、毎シーズン平均二桁得点を記録しました。2009年夏にはフリーエージェントとなり、2年600万ドルでクリーブランド・キャバリアーズと契約しました。

2011-12シーズン終了後、パーカーは現役を引退しました。引退後はオーランド・マジックのスカウト部門に加わり、2017年8月には傘下のレイクランド・マジックのヘッドコーチに就任しました。現在はGMとしてチームを支えています。

アンソニー・パーカーは、NBAでの苦難を乗り越え、ユーロリーグで頂点を極め、再びNBAに戻って活躍した不屈の精神を持つ選手でした。彼のキャリアは、多くのバスケットボールファンに感動と勇気を与え続けています。

[外部リンク]
NBA.com アンソニー・パーカー（英語)
Basketball-Reference.com アンソニー・パーカー (英語)

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