アンダース・オズボーン

アンダース・オスボーン：ニューオーリンズを拠点に活動するスウェーデン出身のギタリスト

アンダース・オスボーン（Anders Osborne、1966年 - ）は、スウェーデン、ヴェストラ・イェータランド県ウッデヴァッラ出身のミュージシャン。ギタリスト、シンガーとして、アメリカ、ルイジアナ州ニューオーリンズを拠点に活動しています。ニューオーリンズのファンク、R&B、ブルースなど、アメリカ南部の音楽に影響を受けたサウンドが特徴です。

生い立ちと音楽との出会い

ドラマーである父親の影響で、幼少の頃からリトル・リチャード、ファッツ・ドミノ、ジョン・コルトレーン、マイルス・デイヴィスといったアメリカのロックンロールやジャズに親しんで育ちました。その後、ピアノ、ギター、ドラムスなど様々な楽器を演奏するようになります。16歳の時には家を出て、ヨーロッパ、アフリカ、中近東、アジア、北アメリカを放浪しながら音楽活動をしました。そして1985年、ニューオーリンズに居を構え、新たな故郷として音楽活動を本格化させます。

ニューオーリンズでの活動

フレンチ・クオーターに住み、演奏活動を始めたアンダースは、同じスウェーデン出身のバイオリン奏者、テレサ・アンダーソンと出会い、意気投合。公私にわたるパートナーとなります。1988年にはバンドを結成し、テレサの演奏は初期のアンダースのサウンドに大きく貢献しました。1989年には地元のインディーズレーベル、ラバダッシュからデビューアルバム「Doin' Fine」をリリース。1993年には2枚目のアルバム「Break the Chain」を発表しました。

1995年にはメジャーレーベルのオーケーと契約し、アルバム「Which Way to Here」をリリース。これにより、アンダースの名前は広く知られるようになりました。オーケーからは、これに続くアルバムとして「New Madrid」がレコーディングされましたが、現在も未発表となっています。

1998年、アンダースはパートナーだったテレサと別れ、新たにシャナキー・レコードと契約し、心機一転して活動を続けます。1998年に「Live at Tipitina’s」、1999年に「Living Room」、2001年に「Ash Wednesday Blues」と精力的にアルバムをリリース。2002年には、マルディグラ・インディアンのビッグチーフ、モンク・ブードローとの共作「Bury The Hatchet」を発表しました。

2005年のハリケーン・カトリーナの後には、ニューオーリンズの被災を嘆いた「Katrina」を作曲し、ステージで披露するようになりました。この曲は、2006年リリースの「Tipitina's Live 2006」で聴くことができます。

ソングライター、プロデューサーとしての活動

アンダースは1994年以降、ナッシュビルにも定期的に通い、ポリグラムやユニバーサルといったレコード会社のソングライター、プロデューサーとしても活躍しています。彼の作曲した「Watch the Wind Blow By」はティム・マグロウが取り上げ、カントリーチャートで1位を獲得する大ヒットとなりました。

独特なサウンド

アンダースのバンドには、ダーティー・ダズン・ブラス・バンドの創設メンバーの一人であるカーク・ジョセフ（スーザフォン）、サックスのティム・グリーンらが参加しています。ベースの代わりにジョセフのスーザフォンが加わることで、ニューオーリンズ特有のブラスバンド的な雰囲気がサウンドに加わり、アンダースの音楽をよりユニークなものにしています。

ディスコグラフィー

1989年 Doin' Fine (Rabadash)
1993年 Break The Chain (Rabadash)
1995年 Which Way to Here (Okeh)
1998年 Live at Tipitina's (Shanachie)
1999年 Living Room (Shanachie)
2001年 Ash Wednesday Blues (Shanachie)
2002年 Bury the Hatchet (Shanachie) with Big Chief Monk Boudreaux
2006年 Tipitina's Live 2006 (MunckMix)
2007年 Coming Down (M.C. Records)
2010年 American Patchwork (Alligator)
2012年 Black Eye Galaxy (Alligator)
2013年 Peace (Alligator)

外部リンク

* 公式サイト (英語)

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