アンダー・アタック

1982年、ABBAは28枚目となるシングル「アンダー・アタック」(Under Attack)を発表しました。この曲は、同年にリリースされたABBAのベストアルバム『The Singles: The First Ten Years』に、新曲として収録されています。

レコーディングは、ABBAの活動拠点であったストックホルムのポーラー・スタジオで行われ、リードボーカルはアグネッタ・フォルツコグが担当しました。楽曲に合わせて制作されたミュージックビデオも存在します。

しかしながら、「アンダー・アタック」のチャート成績は、ABBA全盛期に記録した輝かしい成績と比べると、やや低迷した結果となりました。

トップ10入りを果たしたのは、[ベルギー]と[オランダ]の2ヶ国のみ。トップ30圏内には、[スイス]、[フィンランド]、[ドイツ]といったヨーロッパ諸国でランクインしましたが、ABBAの母国であるイギリスでは、26位という結果に終わりました。この順位は、同時期にリリースされたABBAの楽曲「ザ・デイ・ビフォア・ユー・ケイム」(32位)と比較しても、必ずしも好調とは言えない結果でした。

なぜ「アンダー・アタック」が、ABBAの他のヒット曲と比べてチャート成績が低迷したのか、いくつかの要因が考えられます。ひとつには、時代の変化があります。1980年代初頭には、音楽シーンは大きく変化しており、ABBAのディスコ調のサウンドは、新たな音楽トレンドに必ずしも合致していたとは言えないかもしれません。また、グループとしての活動が既に晩期に差し掛かっていたことも影響していると考えられます。メンバーそれぞれのソロ活動への関心が高まる中、グループとしての活動に注力できる時間が限られていた可能性があります。さらに、楽曲自体のキャッチーさが、過去のヒット曲と比較してやや劣っていたという見方もあるでしょう。

それでも、「アンダー・アタック」は、ABBAのディスコグラフィーにおける重要な一曲であり、彼らの音楽的進化と、時代との変化を反映した作品と言えるでしょう。楽曲の持つ洗練されたサウンドや、アグネッタ・フォルツコグの力強いボーカルパフォーマンスは、現在でも多くのファンを魅了しています。楽曲のチャート成績が必ずしも成功を物語るものではないことを示す、興味深い一例と言えるかもしれません。

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