アンダー・カヴァー (オジー・オズボーンのアルバム)

オジー・オズボーンが2005年にリリースしたカバー・アルバム『アンダー・カヴァー』は、彼の音楽的なルーツを辿る旅とも言える作品です。このアルバムは、単なる懐古趣味ではなく、オジー自身の解釈とアレンジが加わることで、新たな命が吹き込まれた名曲の数々が楽しめます。

アルバムの核となっているのは、2005年に発表されたボックス・セット『プリンス・オブ・ダークネス』に収録されていたカバー曲の再収録です。しかし、それだけに留まらず、「ロッキー・マウンテン・ウェイ」「ゴー・ナウ」「ウーマン」「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」といった、『プリンス・オブ・ダークネス』には未収録の新曲も含まれています。これらの楽曲は、オジーの新たな音楽的挑戦を示すものであり、アルバムに多様性をもたらしています。

CD+DVDのフォーマットでリリースされたバージョンには、ブラック・サバス時代の楽曲「チェンジズ」のセルフ・カバーがボーナス・トラックとして収録されています。このセルフ・カバーは、娘のケリー・オズボーンとのデュエットで、歌詞の一部が変更されており、オリジナルとは異なる魅力を持っています。

アルバム発表後には、ビートルズのカバー「イン・マイ・ライフ」がシングル・カットされ、全英63位を記録しました。この曲は、オジーの新たなファン層を開拓するきっかけとなり、アルバムの評価を高める一因となりました。

収録曲は以下の通りです。

1. ロッキー・マウンテン・ウェイ - Rocky Mountain Way (Rocke Grace, Kenny Passarelli, Joe Vitale, Joe Walsh)
2. イン・マイ・ライフ - In My Life (John Lennon, Paul McCartney)
3. ミシシッピー・クイーン - Mississippi Queen (Corky Laing, Felix Pappalardi, David Rea, Leslie West)
4. ゴー・ナウ - Go Now (Larry Banks, Milton Bennett)
5. ウーマン - Woman (J. Lennon)
6. 21世紀のスキッツォイド・マン - 21st Century Schizoid Man (Robert Fripp, Michael Giles, Greg Lake, Ian McDonald, Pete Sinfield)
7. すべての若き野郎ども - All the Young Dudes (David Bowie)
8. フォー・ホワット - For What It's Worth (Stephen Stills)
9. グッドタイムス - Good Times (Vic Briggs, Eric Burdon, Barry Jenkins, Danny McCulloch, John Weider)
10. サンシャイン・オブ・ユア・ラブ - Sunshine of Your Love (Pete Brown, Jack Bruce, Eric Clapton)
11. ファイア - Fire (Arthur Brown, Vincent Crane, Mike Finesilver, Peter Ker)
12. ワーキング・クラス・ヒーロー (労働階級の英雄) - Working Class Hero (J. Lennon)
13. 悪魔を憐れむ歌 - Sympathy for the Devil (Mick Jagger, Keith Richards)
14. チェンジズ - Changes (Geezer Butler, Tony Iommi, Ozzy Osbourne, Bill Ward, Kelly Osbourne)

参加ミュージシャンも豪華な顔ぶれが揃っています。ジェリー・カントレル（ギター）、クリス・ワイズ（ベース）、マイク・ボーディン（ドラムス）といったレギュラーメンバーに加え、レスリー・ウェスト（ギター・ソロ）、イアン・ハンター（ボーカル）、ロバート・ランドルフ（ギター・ソロ、ペダル・スティール）、ケリー・オズボーン（ボーカル）など、多彩なゲストが参加しています。

『アンダー・カヴァー』は、オジー・オズボーンが自身のルーツを再解釈し、新たな音楽的可能性を追求した意欲作と言えるでしょう。ロックファンはもちろん、幅広い音楽ファンにおすすめできるアルバムです。

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