アンダー・ザ・ドーム

アンダー・ザ・ドーム

『アンダー・ザ・ドーム』（Under the Dome）は、アメリカの作家スティーヴン・キングが2009年11月に出版した長編SF小説です。

物語の舞台は、メイン州に位置するごく普通の小さな町、チェスターズミル。ある日突然、この町は目に見えない強固なドーム状のエネルギー障壁によって外界から遮断されてしまいます。外部とのあらゆる接触が断たれた町は、閉鎖された環境下で水や食料といった物資が徐々に不足し始め、わずかな空気しか通さない障壁のため、大気汚染も深刻化していきます。住民たちは、このままでは全滅を免れないという絶望的な状況に追い込まれます。

突如降りかかった未曽有の事態に対し、町を訪れていた元軍人のデイル・バーバラ、通称バービーは、外部の米軍や政府機関と連携を取りながら、事態打開のために奔走します。しかし、この異常事態に乗じて権力を掌握しようとする人物が現れます。町の有力者であり町政委員でもあるビッグ・ジム・レニーは、自身が密かに仕切る違法ドラッグ工場の存在が露見することを恐れ、バービーらの調査活動を妨害します。さらに、ビッグ・ジムの息子であるジュニアは、脳疾患の影響で精神に異常をきたしており、凶暴化して連続殺人を犯すようになります。

ビッグ・ジムは、ジュニアをはじめとする素行の悪い若者たちを新たに町の警官に任命し、彼らを自身の私兵として利用することで、町の支配を着実に固めていきます。わずか数日の間に、チェスターズミルは法の支配が失われた暴力的な空間へと変貌し、ビッグ・ジムによる強権的な独裁体制が築かれていきます。バービーは、ジュニアが犯した殺人の濡れ衣を着せられ、監獄に投獄されてしまいます。しかし、地元新聞記者のジュリア・シャムウェイら、ビッグ・ジムの支配に反抗する人々の協力を得て、バービーは辛くも脱獄に成功します。

町を離れ、山中に身を隠したバービーらは、そこでドームの発生源と思われる謎の物体を発見し、その調査を開始します。しかし、時を同じくして、町ではビッグ・ジムの違法ドラッグ工場を巡るトラブルが大規模な惨事へと発展します。工場内で発生した爆発が町全体に深刻な被害をもたらし、閉鎖されたドーム内で逃げ場を失った住民たちは、為す術なく次々と倒れていきます。絶体絶命の状況の中、バービーらは最後の希望を懸け、この事態を引き起こしたとされる存在への説得を試みます。

テレビドラマ化

小説『アンダー・ザ・ドーム』は、その発売後すぐに映像化の企画が持ち上がりました。スティーヴン・スピルバーグ率いるドリームワークス・テレビジョンがミニシリーズ化を企画していることが発表され、スピルバーグと原作者のスティーヴン・キング自身もエグゼクティブプロデューサーとして制作に関わることが明かされました。脚本はブライアン・K・ヴォーンが手掛け、翻案が行われました。

2012年11月29日には、全13話構成のテレビシリーズとして、2013年夏からアメリカCBSネットワークで放送されることが正式に発表されました。第1話はヴォーンが脚本を執筆し、ニールス・アルデン・オプレヴが監督を担当しました。シリーズ全体の統括役であるショーランナーはニール・ベアーが務め、キング、スピルバーグ、ダリル・フランク、ジャスティン・ファルヴェイ、ブライアン・K・ヴォーン、ステイシー・スナイダーらがエグゼクティブプロデューサーとして名を連ねました。シリーズ初回は2013年6月24日に放送され、大きな反響を呼びました。

日本では、2013年10月18日からBSテレビ局Dlifeで放送が開始されました。これに先立ち、同年10月14日には第1話が先行放送されるなど、日本でも注目を集めました。

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