アンデスメロン

アンデスメロン

アンデスメロンは、サカタのタネが開発した緑肉ネット系のハウスメロンです。日本国内で広く栽培され、親しみやすい価格と安定した品質で、長年にわたり多くの人に愛されています。

概要

1977年にサカタのタネによって開発されたアンデスメロンは、(コサック×リオゴールド)×(アールス×ハネデュー)という複雑な交配を経て生まれました。ここで注目すべきは、その両親の多様性です。

コサック: 1971年に日本園芸生産研究所で育成された品種
リオゴールド: アメリカ原産の露地メロン
アールス・フェボリット: マスクメロンの代表的な品種で、イギリス生まれの温室メロン
ハネデュー: アメリカやメキシコで大規模に栽培される、ノーネットの冬メロン

このように、異なる特徴を持つメロンを掛け合わせることで、アンデスメロンは様々な優れた性質を受け継いでいます。

名前の由来

アンデスメロンの名前は、アンデス山脈とは一切関係がありません。このメロンは、うどんこ病や、つる割れ病といったメロン栽培における大敵に対する高い抵抗力を持っています。そのため、開発当初は「作って安心」「売って安心」「買って安心」というコンセプトから「安心ですメロン」という名前で販売される予定でした。しかし、ネーミングセンスを考慮し、最終的に「アンデスメロン」という覚えやすく親しみやすい名前が採用されたのです。

特徴

アンデスメロンは、アールスメロンと同様に、果皮表面に網目状の模様（ネット）を持ちます。果肉は淡い黄緑色で、アールスメロンに似た上品な甘さと、みずみずしい食感が特徴です。アールスメロンと比較すると、ネットの盛り上がりがやや控えめで、網目が細い傾向にあります。しかし、その手頃な価格から、日常的に楽しめるメロンとして人気を集めています。

主な産地

アンデスメロンは、北海道から九州まで、日本全国で幅広く栽培されています。特に生産量が多いのは茨城県で、その他、熊本県や山形県なども主要な産地として知られています。各地の気候や土壌に合わせて栽培方法が工夫されており、それぞれの地域で品質の高いアンデスメロンが生産されています。

キャンペーン

2009年からは、毎年5月頃から8月末にかけて、熊本経済連、JA全農茨城、JA全農山形などが共同でアンデスメロンのキャンペーンを実施しています。このキャンペーンでは、アンデスメロンの美味しさや魅力を広く伝えるための様々な取り組みが行われています。

参考文献

田中ひろみ『アンデスメロンは安心です』ぶんか社〈ぶんか社文庫〉、2006年。ISBN 4-8211-5039-5。
瀬古龍雄『メロンの作業便利帳』農山漁村文化協会、2002年。ISBN 4-540-00214-7。

もう一度検索