アントリム (装甲巡洋艦)

HMS Antrim (HMS Antrim)

HMS Antrimは、イギリス海軍に属する装甲巡洋艦で、デヴォンシャー級に分類されます。この艦名は、北アイルランドのアントリム県に由来しています。Antrimは、第一次世界大戦時の様々な任務を通じて、海軍史において重要な役割を果たしました。

艦歴

HMS Antrimの建造は、ジョン・ブラウン・アンド・カンパニーのクライドサイド造船所で始まりました。1902年8月27日に起工され、1903年10月8日に進水、そして1905年8月24日に正式に竣工しました。建造後、Antrimは海峡艦隊第1巡洋艦戦隊に加わりました。

1907年、フランスによるカサブランカ砲撃事件に関連し、Antrimはカサブランカへ派遣されます。その後、同年3月には大西洋艦隊第2巡洋艦戦隊に移籍し、1909年4月にはデヴォンポートの予備第3艦隊に配属されました。1911年には、リバプールでの交通ストライキのためにマージー川に移動しました。

1912年12月には第2艦隊第3巡洋艦戦隊の旗艦としての任務を担い、1914年になると、第一次世界大戦に備えた動員が進められました。Antrimはグランドフリートへ加わり、シェトランド諸島やノルウェー沿岸の哨戒任務を担うことになります。1914年8月6日にはドイツ商船を拿捕し、10月9日にはドイツ潜水艦「U19」の攻撃を受けましたが、回避することができました。

Antrimは何度もグランドフリートと共に出撃しましたが、実際の戦闘に参加することはありませんでした。1916年6月にはアルハンゲリスクに派遣され、次いで北アメリカ・西インド艦隊での船団護衛任務に従事しました。1917年12月には本国に戻り、その後退役しましたが、1918年8月に再就役し、11月の終戦まで同じ任務に従事しました。

1919年、Antrimはノアで予備役に移行しましたが、その後無線通信やアスディックの試験用に改装されたため、1920年3月に再び就役しました。最終的に1922年には練習艦としての役割を果たし、同年の12月19日に売却され、ブライスで解体されました。

脚注

HMS Antrimの艦歴は、第一次世界大戦におけるイギリス海軍の活動を知る上で貴重な資料となっています。海軍史の中で、Antrimは重要な役割を果たし、多くの作戦に参加しました。彼女の装甲と能力は、戦闘艦としての地位を確立し、海上における安全保障の一翼を担いました。

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