アントン・ディフリング

アントン・ディフリング（Anton Diffring, 本名：Alfred Pollack、1918年10月20日 - 1989年5月19日）は、ドイツの俳優であり、特に第二次世界大戦を舞台とした映画で、冷酷なナチスの軍人や政治家を演じたことで広く知られています。

生涯

ディフリングは、1918年にドイツのコブレンツでユダヤ人の子として生まれました。ベルリンとウィーンで演技を学び、俳優としての道を歩み始めます。しかし、第二次世界大戦の勃発により、彼はドイツを離れ、カナダへと逃れざるを得ませんでした。戦後、1950年にイギリスで映画デビューを果たし、そのキャリアを本格的にスタートさせました。

彼の演じた役柄で最も印象的なのは、第二次世界大戦を背景にした映画におけるナチスの軍人や政治家です。その冷酷で非情なキャラクターを見事に演じ切り、観客に強烈な印象を与えました。代表作としては、『暁の7人』におけるラインハルト・ハイドリヒ役や、『戦争の嵐』におけるヨアヒム・フォン・リッベントロップ役などが挙げられます。

1989年5月19日、ディフリングは70歳で死去しました。死因については、AIDSまたは癌であるという説があります。

主な出演作品

絶壁の彼方に (1950)
極楽ホテル (1951) ※クレジットなし
水爆持逃げ道中 (1952) ※クレジットなし
哀愁のロシア (1953) ※クレジットなし
赤いベレー (1953)
叛逆者 (1954)
コルディッツ物語 (1955)
嵐の中の青春 (1955)
黒い天幕 (1956)
殴り込み戦闘機隊 (1956) ※クレジットなし
仮面の追撃 (1956)
七つの雷鳴/マルセーユ死の突破 (1957)
殺人鬼登場 (1960)
クロスボー作戦 (1965) ※クレジットなし
ヴィエナ超特急 (1965)
テレマークの要塞 (1965)
ブルー・マックス (1966)
華氏451 (1966)
ダブルマン (1967)
誇り高き戦場 (1967)
荒鷲の要塞 (1968)
ツェッペリン (1971)
炎の舌を持つイグアナ (1971)
ウィーン諜報網 (1972 - 1973) テレビドラマ
ヴェルヴェットの森 (1973)
風雪の太陽 (1973)
ビッグ・ガン (1973)
ベートーヴェン通りの死んだ鳩 (1974)
ボルサリーノ2 (1974)
暁の7人 (1975)
スイス・コネクション (1976)
ヴァネッサ 小さな唇 (1977)
バレンチノ (1977)
インディアンはまだ遠くにいる (1977)
女教師ベニーナの性 (1978)
勝利への脱出 (1981)
ノンストップ・トラブル スパイ大混乱 (1983)
サン・サルバドル/地獄の戦火 (1983)
戦争の嵐 (1983) テレビミニシリーズ
オペレーション・デッドエンド (1986)
ワーグナーとコジマ (1986)
ベルリン忠臣蔵 (1986)
* フェイスレス (1988)

アントン・ディフリングは、その独特な風貌と演技力で、数多くの映画に出演し、特にナチス将校役でその存在感を発揮しました。彼の演じた役柄は、映画史に深く刻まれています。

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